◆チェックポイント
ケンブリッジ式ファシリテーションでは、「短い時間で行う振返りのミーティング」のことをチェックポイントと呼んでいるそうです。
「プロジェクトを変える12の知恵〜ケンブリッジ式ファシリテーション」
(著:影山 明、出版:日経BPマーケティング)
チェックポイントは、5分程度のミーティングであり、
・セッション(会議)の終了後
・あらかじめ決められた時刻(毎日17時など)
・誰かが言い出した時
などに行い、ちょっと立ち止まって振返り、これまで、これから、を確認する場であり、1日1回以上は行っているそうです。
・会議の生産性を高める
・チームに一体感を高める
・メンバーの成長を促す
などの効果があり、1日1回以上、行っているそうです。
チェックポイントは、参加者やタイミングによって、セッションチェックポイントとチームチェックポイントがあり、前者はセッションについての気づきや感想を述べる場であり、後者はチーム全体での情報を共有し、同期をとる場であり、メンバーに経験知を伝える場です。
そう言えば、あるプロジェクトマネジャーの方から、進捗会議では、毎回、司会をメンバーが順繰りに交代で行い、最後にそのファシリテーションや会議について、参加者全員がコメントをすると聞いたことがあります。
全員が会議に参加するという意識を向上させ、チームの一体化が促進され、また、ファシリテーションスキルが司会者自身が向上し、コメントしたメンバーも向上するという効果があったそうです。
そのプロジェクトマネジャーの方は、司会したメンバーに改善してほしい点については、参加者からコメントが出なかった場合のみ、コメントする、とも言われていました。メンバー全員に対して、ファシリテーションしているのですね。
セッションチェックポイントでは、以下の点について、話し合います。
・セッション(会議)のゴールは達成できたか
・良かった点、改善点
・感想、気づき
・その他の懸念や問題点
チームチェックポイントでは、以下の点について、話し合います。
・タスクの進捗状況と今後の進め方
・課題、懸念事項
・TODOリスト
このようにチェックポイントは、振返りです。
プロジェクでは、終結プロセスにて、プロジェクトの教訓を残しています。
ところが、PMBOK(R)ガイド第6版では、統合知識エリアの実行プロセスに新プロセス「プロジェクト・ナレッジ・マネジメント」が追加されました。
これは、経験知(暗黙知を形式知に変えて)を残す作業は、終結プロセスだけでは不十分であり、実行プロセスにて、常に内省による振返りを行うことによって、プロジェクトのパフォーマンスを上げていかなければ、プロジェクトではない、ということにもつながっていることを意味しているのですね。
◆参考資料
「プロジェクトを変える12の知恵」(著:影山 明、出版:日経BPマーケティング)
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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