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第43回 ステークホルダーマネジメントその前に(3)(2021.06.15)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代

◆ステークホルダーマネジメントその前に(3)

前号では、信頼関係構築のためには、統合(WinWin)の考え方でステークホルダーと話し合うこと、相手が望むことを相手に渡すようにすることが重要と述べました。
最後に、ある人をフォローしたにもかかわらず、その方から、陳謝がなかったため、誠意がない人だと思ってしまったことを述べました。

そのフォローとは、A氏と鈴木があるイベントのあるグループの担当者となり、その旨をイベント運営サイトに入力したところから始まりました。
A氏がメールアドレスを間違えて入力したこと、欄を間違えて入力したことでした。二人ともが入力を完了した後、イベント運営担当者から、「自己紹介が2人分混ざっているようなので、分離してほしい」とのメールが届きました。何故、そんなことになっているのだろう、と思いながら、まず、その文面を送ってもらうことを依頼しました。文面は、鈴木の分が消えているだけでしたので、メール返信にて、鈴木の自己紹介文テキストを送付しました。
その後、運営担当者から、A氏の自己紹介の内容が分かりにくい、と訂正の依頼メールがありました。が、そのメール交換の中で、どうもA氏にメールが届いていないことがわかりました。(デーモンが返ってきていた)

そこで、あるグループのチャットにて、運営担当者からのメールがA氏には届いていないことを伝え、メールを転送するので、鈴木(メールアドレス表示)宛てにメールを送ってくれるように依頼しました。
すぐ送ってくれるのだろう、と期待したのですが、「そのメールの件名を教えてください」とチャットに返信がありました。

え〜、デーモンが返ってきているので、届いていない、と伝えているのに、届いていないメールの件名を教えてくれ??

その意味のない作業をすることに私を巻き込まないでほしい(件名をメーラーから探す、全く無駄な作業が必要)と思いました。
しかし、そこは、ぐっとこらえて、件名をグループチャットに挙げたところ、しばらくして、やはり届いていないようですので、メールを送りました。とのことでした。
あたり前田のクラッカー(かなり古い)です。メールアドレスが間違っているので。全く、無駄な時間を過ごしたものです。

そこで、A氏メールの返信にて、運営担当者からのメール2通を転送し、この2通に返事をしてほしい、と伝えました。
ところが、1つしか返事をしていなかったらしく、とうとう締切日の夕方に、運営担当者から電話がかかってきました。A氏は電話にも出ず、メールの返信もないそうでした。
鈴木には、これ以上、できることはありません。ただ、グループチャットに、電話があったこと、締切は本日だということを書き込みました。結局、翌日には返信していたようですが、A氏からお礼の言葉どころか、謝りの言葉もありませんでした。

こんなことで怒るのか、人間ができていないな、と思われるかもしれません。しかし、ステークホルダーバランスシートのすべてのポイントにおいて「X」なのです。

・約束を守る → 守っていない
  締切を守っていない、重要なことに返信をしない
・期待を上回る → 下回る
  メールを送ってくれという依頼に対して、件名を教えろ、と回答
・相手の都合で決める → 自分の作業しか考えていない
  件名を教えろという依頼は相手への作業妨害
・まず、自分の責任を問う→自分は何もしていないから、責任は相手にある
  自分が行ったこと(メールアドレスの誤入力など)への反省
・共通点を見つけるために聴く → 自分が何をすべきかだけのために聴く
  今、二人やらないといけないことは、運営担当者への情報伝達

A氏と協力して、これからイベントを進めていけるとはとても思えませんし、誠意が全く感じられませんでした。
A氏は、意地の悪い人でもなく、悪い人でもないようです。どちらかと言うといつもニコニコしていて、いい人のイメージです。

ですが、いい人のイメージだけでは誠意を示すことはできません。特に、リモート環境になり、ますます、そのイメージを示すことはできなくなりました。
A氏には、上記のポイントを再度考え直してほしいなあ、と思いました。

と、言いましても、自分も若いころは、傲慢、我儘かつ自分勝手でした。ステークホルダーとの信頼関係構築は上手くできていなかった、と反省しきりです。

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4.概念的に考えて具体的に行動する
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 ・本質を見極める
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5.ステークホルダーと良い関係を作る・WinWinの関係
 ・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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