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第44回 影響力の武器(1)〜なぜ人は動かされるのか(2021.08.24)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆影響力の武器(1)〜なぜ人は動かされるのか

本号は、少し流れが変わりますが、ステークホルダーマネジメントにおいて、信頼関係のもとに一緒に仕事を進めていくことや、信頼関係を築いていくための考慮として、影響力を考えてみたいと思います。
なぜ、人は動かされるのか、どんな影響を受けたから、人は動くのか、という話です。

「影響力の武器」の著者ロバート・B・チャルディーニは米国を代表する社会心理学者の一人です。人の態度や行動を変化させる心理的な力について、書籍では解説しています。
冒頭では、次の事例を挙げています。

・観光客向けのトルコ石が、質の割には安価であるが、全く売れなかった。 →価格を2倍にすると全部売れた
 理由:観光客はトルコ石の価値を判断できず、唯一の判断指標が金額だった

・七面鳥の母鳥は、ヒナが「ピーピー」鳴くと面倒をみる
 人形にヒナの「ピーピー」という鳴き声を仕込んで置き、鳴らしても抱く
 理由:「ピーピー」が母鳥の母性本能のスイッチ

これらは、動物だけではなく、人間にも存在する固定的動作パターンと呼ばれている行動だそうです。

・コピーを使っている人に「5枚だけだから先にコピーさせてね」と頼むと、譲ってくれる人と、くれない人がいるそうです。
 「急いでいるから」と理由(Because)をつけると、ほとんどの人が譲ってくれるそうです。
 そして、その理由は特に論理性は必要ないそうです。
 「5枚だけだから先にコピーさせてね。コピーをとることを頼まれているので」
 と、どっちが原因で、どっちが結果かわからない論理でもほとんどの人が譲ってくれるそうです。(米国の事例)
 「Because」という言葉に弱いのかもしれません。

このような人間の固定的動作パターンは、自分が行う場合には、それらに注意して、クリティカルに考えて行動すべきです。

ですが、相手のこのような固定的動作パターンを理解せずに、何かを言ったり、何かをしたりすると、相手の予想外の反応に遭遇してしまいます。

「影響力の武器」では、固定的動作パターンを理解し、武器として、使いたいものとして、次の6つの法則を挙げています。

・返報性
・コミットメントと一貫性
・社会的証明
・好意
・権威
・希少性

次号から、もう少し詳しく取り上げていきます。

※参考資料「影響力の武器」 著:ロバート・B・チャルディーニ 訳:社会経済研究会 発行:誠信書房

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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