第40回 人間関係を良くするポイント(2)〜人の話は半分に(2021.03.05)
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◆ある講師経験
以前、専門学校の非常勤講師をしていた時期があり、月木金と週3回、ハードウェア概論、ソフトウェア概論、CASL(アセンブラ言語)などを教えていました。
前期は、講師オリエンテーションで親しくなった方とお昼のランチをご一緒していました。Aさんは、話し上手であり、話題も豊富で、今若い人たちに何が流行っているのか、情報処理業界はどうなるのか、そしてご家族のことや他の先生から言われた言葉などをよく話されていました。美人だったこともあり、いつも話の中心でした。Aさんの話は、同情に値する話も多く、親身になって聞いていたものです。その中に、B先生の信じられない言動を話されるため、Bさんって、酷い人だなあと思っていたものです。
ところが、ある日Cさんから、Aさんのあまりいい噂は聞かないし、仲良くしない方がいいよ、と忠告を受けたのです。Cさんは水木曜勤務、Aさんは月水金曜、私は月木金曜でした。
Cさんとは木曜日、Aさんとは月金曜日に会っていたのです。臨時講義のためある火曜日に出勤し、他の講師の方をランチに誘ったところ、やめてよ〜っという顔で、断られたのです。
なんだか異様な雰囲気を感じましたが、疑問のままにスルーしていました。次にCさんに会ったときに、この疑問について聞いてみました。水曜日は私、鈴木講師のあまりにもひどい言動に会話の花が咲いていたそうです。Cさんは、その会話には参加せず、Aさんの噂についてだけ、私に伝えてくれていたのでした。
Bさんに対する風評は、私にも行われていたのです。すると、Bさんに対する「酷い人」という評価は自分が考えて判断したのではなく、Aさんからの情報を鵜呑みにした結果ということになります。なんてことをしてしまったのでしょうか。
自分自身で評判を下げ、また、Bさんをおとしめていたのです。Cさんとの信頼関係があって、良かったです。救われました。その後、Bさんに謝りに行きました。
◆人の話は半分に
この経験から、人の話は半分に聞くだけではなく、他の伝手からの話(多方面からの情報)や自分で情報を調べる(深く掘り下げる)ことで、妥当かどうかを判断するようになりました。最も、絶対に正しいということは、原理、公理以外にはありませんので、どこで妥当と判断するかは状況次第、自分の考え方次第であり、絶対にこのしきい値で判断すべき、という指標はありません。
そこを自分で決めていくことが経験かな、と思いますが、誰が何と言おうと、この人を信じる、というスタンスもステークホルダーマネジメント、信頼関係構築には必要なのかもしれません。
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講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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6.まとめ
・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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