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第15回 相手を嫌う理由は相手の世界によって変わる(2019.01.04)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆相手を嫌う理由は相手の世界によって変わる

ステークホルダーとは、プロジェクトの利害関係者のことで、プロジェクトマネジャーではなく、プロジェクトと利害関係がある人またはグループのことです。

プロジェクトが進んでいくうちに、またはプロジェクトが成功した時に、利益や損害を被る人やグループ、また、プロジェクトに対して、利益または損害を与える人またはグループです。

グループには特性があり、そのグループに属している人には、同様の特性がありますが、全員が同じような考え方をするわけではありませんので、ステークホルダーマネジメントはできるだけ、人に対して行います。

なぜ、ステークホルダーマネジメントを行うのかは、ステークホルダーにプロジェクトに参画、協力、支援してほしいからに、他なりません。プロジェクトが成功するためには、ステークホルダーの支援が必要だからです。

すると、プロジェクトを好きになってもらう、プロジェクトチームを好きになってもらう、プロジェクトマネジャーやチームメンバーを好きになってもらうことが必要になってきます。嫌いであれば、支援に対して、前向きになれないからです。

なかなか、好きになってもらうことは難しいですが、まず、毛嫌いされないようにすることが不可欠です。毛嫌いには、いわれなき理由でされる場合もあれば、正当な理由がある場合もあります。いわれなき理由の場合は、なぜ、その人が自分を毛嫌いするのかを探っていきましょう。

正当な理由の場合は、何か自分が相手にした行為に対して、毛嫌いする原因があるはずです。すると、ステークホルダーに対しては、毛嫌いされるような行為はしない、ということが、ステークホルダーマネジメントにとって、最も基本的なことと言えます。が、毛嫌いされるような行為は、人によって異なってきます。いわれなき理由と同様に、その原因を探る必要があります。そのために、相手の世界を知るということが重要です。相手が何を好み、何を嫌うかということです。

そこで、このところ、自分のステークホルダーについて、思っていたことを書いてみようと思います。ステークホルダーと言っても、プロジェクトのステークホルダーではなく、自分のステークホルダーなのですが、参考にしていただけると幸いです。
クレームを言っているのではありません。

●近所のファミリーマートのこと
年賀状を出すために62円切手を買いに行きました。このファミマは元々サークルKであり、クロネコヤマトさんではなく、ゆうパックを扱っていた店舗であり、敷地内にポストがあります。ところが、62円切手は扱っていない、82円切手も置いていないとのことでした。

もう1件のファミリーマートに切手はありました(ポストはない)ので、ファミリーマートの方針ではないようですし、セブンイレブン、ローソンに切手はあります。

ポストがある店舗に切手がない、という経験は、コンビニを含めて、今までありませんでした。なぜ、この店は置いていないのでしょうか?
切手は利益が出ないから、それとも、他に何も買わなかったからでしょうか?

元々、この店舗では、息子がバイトをしていましたが、オーナーのことはあまり良くは言っておらず短期間で辞めました。現在のバイトもコロコロ変わっています。切手の件で、この店に行くことは、これからないでしょう。

●友人のこと
一昨年のお中元に「大江のり」などを送りました。メールにて、「関西のテレビのクイズ番組の商品になるほど、人気があり、とても美味しくて、我が家はこの味付のり以外は食べなくなりました。」との送った理由などを書いて送りました。
ところが、そのお返しが届いたのですが、なんと、広島の海苔の詰め合わせでした。パッケージを開けた途端、目の前が真っ暗になりました。なぜ、海苔?

お礼のメールを送ったところ、別に海苔対決をしたいわけではないとの返事でした。「大江のりは美味しくなかったですか?」と問うたところ、とても美味しかったとの返事です。
友人には、全く悪気はないようなのですが、受け止め方によっては、毛嫌いされてしまう一因となります。

この1件で、友人が転職を繰り返す理由が分かりました。不用意に敵を作りすぎています。

ファミリーマートのオーナーは嫌なら店に来なくてもいい、お金を落としてくれる客だけが来たらいいというスタンスです。が、友人は、全く、その気がないのに、相手に嫌われる理由を作ってしまっています。なぜならば、相手の世界を理解しようとしていないからです。相手が何を大切にしているのかを考えていないのです。

こんなに美味しい海苔を友人にも食べてほしい、自分はこれ以外は食べないと言って送っているのに、同様の商品を送り返すという行為は、こちらの海苔の方が美味しいよ、送ってくれたものは美味しくなかったよ、と言っていることと同じだからです。

これと同じようなことをしていないでしょうか?
そんなつもりではなくても、受け止め方はいろいろです。


次号では、さらに難しさについて、考えます。

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       ※少人数、双方向にて、ディスカッション、ロールプレイを行います
  講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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