◆小規模プロジェクトの計画プロセス
前回は、小規模プロジェクトの立上げプロセスを取り上げました。
小規模プロジェクトの立上げプロセス
今回は、小規模プロジェクトの計画プロセスについてです。
基本的に、プロジェクトマネジメントは、計画を立てて実行してチェックしてというPDCAサイクルを回していくマネジメントの部分と、メンバーをリードし、モチベーションを上げて、メンバーの作業効率を上げて、メンバーの育成をしてというリーダーシップが必要な部分に分類されます。
人数が多くなればなるほど、計画をきちんと立てて、計画通り実行して人を動かしていくマネジメントが重要視され、少人数であればあるほど、計画を細かく立てる時間より、リーダーシップを発揮して指導していくほうがうまくいくことのほうが多いようです。
もちろん少人数でも、プロジェクトで作る成果物が明確であり、それを作る工程や作業時間も割りと明確にでき、その作業に専念できるメンバーばかりという場合は、その限りではありません。
計画を詳細に作成し、計画通り作業をし、進捗を管理することで納期どおり完成させるマネジメントが重要です。そして、このときのWBSは成果物に着目して作成します。
ところが、完成させるものは決まっているけれど、そのための要素成果物も見えていない、工程も見えていない、プロジェクトの作業に専念できるメンバーも少ない、という場合は、計画を詳細に作成することは不可能です。
例えば、製品開発、組織変革などのプロジェクトです。
もちろん、計画を詳細に作成できない場合のために、段階的詳細化という手法がありますが、段階的詳細化するタイミングすら見えてこない、という場合を考えてみますと、プロジェクトとは課題解決のプロセスだ、という結論に行き当たります。
つまり、WBSにプロジェクトで解決すべき課題を並べ、課題解決のための作業を次のレベルに落とし、担当者を決め、期限を決めることで、計画を作成していきます。
そして、リスクマネジメントとして、WBSの各項目が完了できないことに対してどんな事象があるのかを予測し、担当者が対策を考えて、計画にしておきます。
プロジェクトマネジャーは、これらの計画をまとめて管理していきますが、基本的には、担当者にお任せです。
そのためには、立上げプロセスでプロジェクト憲章を作成し、その時点でのチームビルディングが重要です。
次回は、小規模プロジェクトのコントロールプロセスのマネジメントについてです。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。