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プロジェクト運営技術の支援としての計画サポート自体を、PMOでマネジメントする。サポートの方法は、テンプレート、ナレッジベース、コンサルティングで行う

第6回 プロジェクト運営技術支援〜計画サポート(2)(2004.12.24)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆サポート計画の流れ


前回、PMOが行うべき計画サポートの内容について述べたが、実際にどのような方法で行えばよいのだろうか?
まず、PMOが行うべきことは計画サポートの「プロセス」を明確にすることである。計画を策定している段階では、すでにプロジェクトのガバナンスはプロジェクトチームにある。そこにPMOが支援をしていくわけで、下手に手を出すと混乱させるだけになりかねない。混乱を防ぐためには、まずは、計画サポートプロセスを確定し、明確にして、プロジェクト側からPMOサポートを使いやすい状態を作っておくことが肝要である。

◆サポート計画をマネジメントする

と、同時に、計画サポート自体をマネジメントしておく必要がある。このような支援作業はややもすると、スポット作業になりがちである。現に、いろいろな企業のPMOの活動を見ても、教育やトレーニングについては、PDCAサイクルをまわしている企業が多いが、それ以外はやりっぱなしという状況が見受けられる。これは、PMOのサポートミッションはプロジェクトを成功させることであり、プロジェクトがうまくいけば結果オーライと考えているからのようだが、あまり感心しない。このようなスタンスでPMOの活動をしている限り、進歩が望めないからだ。

これからはプロジェクトマネジメントもさることながら、PMOがプロジェクトの成果に対して非常に大きな影響を及ぼす時代になるころが予想される。特に、戦略経営の中核組織として、センターオブエクセレンスの役割を果たしていくことが期待されている。その期待にこたえるためには、マネジメントを導入して自らを進化させていくことが不可欠である。

◆サポートの方法

次に、定めたプロセスの中で、さまざまな情報を与えていくのだが、その方法はさまざまである。よく使われる方法として

 ・テンプレート
 ・ナレッジベース
 ・コンサルティング

といった方法がある。詳細については別途、触れたいと思っているが、いずれにしても、ワークプレースラーニングを実現することが必要である。

◆計画策定のファシリテーション

計画そのもののサポートとは別に、計画プロセスを支援することも重要である。計画プロセスについては、フォーマットやツールで規定されているものの、その運用はプロジェクト任せという企業が多い。プロジェクト計画をどのような体制で策定していくかもによるが、いずれにしても入り口のところ、つまり、計画策定の作業に入るまでのところで手間取り、結果として計画の策定時期が遅くなり、チームビルディング、プロジェクト作業の実施に悪い影響を与えているケースは意外に多いのだ。
一つにはプロジェクトの企画(立ち上げ)から計画に移る際に、プロジェクトマネージャーは決まっているが、プロジェクトガバナンスが明確でないという時期があるという原因を挙げることができる。
ということで、プロジェクト策定を計画手順だけではなく、計画プロセスとしてきちんと定義しておくことがPMOに求められているといえる。場合によっては(たとえば、重要性の高いプロジェクトの場合)、PMOが計画作業の初期段階をファシリテートすることもあってもよいだろう。

◆計画変更のサポート

もう一つ重要なサポートは、策定を支援した計画のフォローである。ここにはPMOとしてのマネジメントの機能があると同時に、計画変更(特にスコープ変更による計画追加)に対して、計画策定時と同様なサポートをしていく狙いがある。
一般論であるが、計画変更は、初期の計画策定に較べて客観性がより重要になる。ところが、逆に、第三者がそこに参画していくのは難しい部分がある。このジレンマを解消していくためには、PMOの計画サポートの活動が重要な鍵を握っている。
また、計画変更についても、初期計画と同様に、プロセスを明確に定義し、ガイダンスを作成していく必要がある。これもPMOの果たすべき役割である。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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