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【PMOコラム71】PMOのサービスマネジメント(12)〜PMOサービスのイメージ創り(2008.09.08)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆はじめに

前回まで、サービスマネジメントのバイブルになってるリチャード・ノーマンの「サービスマネジメント」で示されている

(1)マーケット・セグメント
(2)サービス・コンセプト
(3)サービス・デリバリー・システム
(4)イメージ
(5)文化と理念

の5つの枠組みを使って、PMOのサービスマネジメントをどのように進めていけばよいかを検討してきた。前回は(3)のサービスデリバリーシステムについて述べた。

今回は、(4)のイメージについて述べる。


◆イメージとは

多くのPMO組織が悩まされているのがこのイメージではないかと思う。PMO組織の場合に多いイメージは

 ・PMに関して組織に代わり、統制をする組織

というイメージと同時に、

 ・トラブルなど、プロジェクトの困った状態で支援をしてくれる組織

というのが多いのではないかと思う。この2つは、サービスの特性から来るイメージなのでよいのだが、中にはこんなイメージを持つ企業もある。

 ・プロジェクトマネジメントについて口は出すが、それ以上のことはしない

これもコンサルティングサービス、あるいは、カウンセリングサービスをしているといえなくはないのだが、それ以上に、スタッフのありようのようなものからついたイメージだといえよう。


◆イメージは厄介である

イメージというのはある意味で実態がない。たとえば、上に述べた「プロジェクトマネジメントについて口は出すが、それ以上のことはしない」といったイメージは実態がないことが多い。

にもかかわらず、いったん、ついてしまったイメージはなかなか、変わらない。少し、例は違うが、PMBOK(R)プロジェクトマネジメントについて2003〜2004年当たりにさまざまなさまざまな「アンチ」識者のつけたイメージが今でも残っていると思うことが時々ある。

早い時代にPMOを作った組織では、PMOの変革に取り組み出しているところもあるが、やはり、初期の時代についたイメージの払拭に苦労しているところが多い。


◆イメージは強力である

逆にいえば、PMOサービスの展開において、イメージを使うことができれば強力な武器になる。以前も、述べたが、PMO憲章というのを作っている組織は少ないが、PMO憲章を作ることにより、初期のイメージの確立をすることは比較的確実にできる。動物が最初にみたものを親だと思うという話があるが、はやり、最初についたイメージはよくも悪くも強い。これをうまく使わない手はない。

ただし、実態にそぐわないイメージをつけても、いずれは露呈する。したがって、打ち出すイメージはある程度現実的なものであるべきだし、また、現実になるように人材育成をしていかなくてはならない。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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