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第11回 PMOの設立(3)〜PMO設立のためのアセスメント(2006.06.26)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆どのようなPMOが必要かを知るためのアセスメント

仮にPMO設立をプロジェクトマネジメントを改善するための手段だと捉えると、PMOに必要な機能とは、問題解決の手段になっている必要がある。言い換えると、PMOの方向性を探るには、まずは、組織のプロジェクトマネジメントのアセスメントをする必要がある。

アセスメントのポイントとしては以下のようなものがある。

(1)プロジェクトマネジメントの実施者
プロジェクトマネジメントを実施しているとして、それを誰がやっているかを明確にする。必ずしもプロジェクトマネジャーが実施しているかどうかが問題ではない。プロジェクトの管理をラインマネジャーがやっていてもかまわない。問題は、誰がやっているかが明確になっていないこと、あるいは、誰も責任を持ってマネジメントしていないことである。

(2)プロジェクト計画書の作成状況
プロジェクトの計画書が作成されているかどうかをチェックする。プロジェクト計画書の内容そのものの問題もあるが、ここではそれよりも、まずは計画を作って、計画に従ってプロジェクトが実施されていることを確認することが肝要である。

(3)プロジェクト進捗報告と進捗管理の方法
次に、プロジェクトの進捗報告がきちんと行われているかどうかをチェックする。進捗報告にはメンバーがプロジェクト内でプロジェクトマネジャーに対して行う進捗報告と、プロジェクトが上位組織に対して行う進捗報告がある。いずれも適正に行われている必要がある。
さらに、進捗報告がマネジメント上のアクションにつながっているかどうかをチェックする。これが進捗管理である。例えば、進捗が遅れていたとする。このときに進捗報告を聞いて、「挽回するように頑張ってくれ」では何かしていることにはならない。作業方法の変更を考えるとか、一時的に別の担当を担当者にさせるとか、進捗をカバーするための具体的なアクションをするのが進捗管理(マネジメント)である。これがきちんとできているかどうかをチェックする

(4)プロジェクトマネジメントマテリアルの作成と管理
憲章、計画書、進捗管理などのマネジメントの成果物がきちんと作られ、さらに、それが管理されているかどうかをきちんとチェックする。

(5)ベストプラクティス
ベストプラクティスがあり、それが共有されているかどうかをチェックする。

(6)プロジェクトマネジャーの育成
プロジェクトマネジャーを育成するためにトレーニングがちゃんと行われ、さらには、キャリアマネジメントが実施されているかどうかをチェックする。


◆アセスメント結果とPMOの機能

これらの項目をアセスメントすることにより、どのようなメソドロジーを導入すればよいかがおおよそ、判断できる。

「PMO進化論」の第4回で

 PMOの機能概要
  
という記事で、pmstyleで提案しているPMOの機能体系について説明した。この体系をベースにしていえば、

(1)「プロジェクトマネジメントの実施者」に問題がある場合
    プロジェクト基盤マネジメント、プロジェクト実行マネジメント
(2)「プロジェクト計画書の作成状況」に問題がある場合
    プロジェクト運営技術の支援
(3)「プロジェクト進捗報告と進捗管理の方法」に問題がある場合
    プロジェクト運営技術の支援、プロジェクト実行マネジメント
(4)「プロジェクトマネジメント成果物の作成と管理」に問題がある場合
    プロジェクト基盤マネジメント、プロジェクト運営技術の支援
(5)「ベストプラクティス」に問題がある場合
    プロジェクト基盤マネジメント
(6)「プロジェクトマネジャーの育成」も問題がある場合
    リソースインテグレーション

といったあたりから着手していくことが望ましい。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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