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主要なステークホルダーらが、あなたの仕事の進め方をどのように感じ、どのように対応しようとしているかを知っておくことが重

第1回 ステークホルダに情熱を伝染する(2008.09.23)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


いつの間にか、技術者や専門家の専売特許のようになってしまったプロジェクトマネジメントだが、決して、専売特許ではない。プロジェクトマネジメントはみんなのものだ。

この連載は「みんなのプロジェクトマネジメント」をテーマに、カジュアルなプロジェクトマネジメントというのを描いてみたい。

実は、もうひとつタイトルにこめた意味があるのだが、それはおいおいということで、、、

◆スポンサーを押さえるのが、最初の仕事

仕事を任せられた時は、あなたはその仕事の実行責任を持つが、本当の責任者は他にいることが多い。たとえば、あなたが1ヶ月の新入社員研修の責任者になったとしよう。半年かけて準備し、社内の見学、実習、研修などいろいろな要素を入れたプログラムをつくり、なんとか無事、1ヶ月を乗り越えた。ところが、配属された先から、「社会人としての常識が身についていない。何、教育してきたんだ」と怒鳴り込まれた。さて、責任は誰にあるのか?

本当の意味で責任を問われるのは、このプログラムに対して実施を承認し、予算をつけた人である。ひと・もの・かねという経営資源を提供した人だ。このような立場の人をプロジェクトでは「(プロジェクト)スポンサー」と呼ぶ。「スポンサー」は、仕事の実行はあなたに任せたとしても、ずっとその様子を見ている。場合によっては、介入してくるだろう。

だから、仕事を始める時には、まず、「スポンサー」を見極めておくことが大事だ。
そのスポンサーと、仕事の目的や目標設定、プランについて事前にすり合わせをしておくことが望ましい。これは、簡単なようだが意外と難しい。

スポンサーは、上司であることが多いが、直属の上司だけではなく、もっと上の上司のこともある。いくつもの部門が参加する仕事では、違う部門にスポンサーがいることもある。いずれの場合でも、スポンサーをよく見極め、すりあわせをしておきたい。
これを怠ると、仕事を進めていく中で、思わぬどんでん返しを喰らう可能性がある。逆にスポンサーを「味方」に付けてしまえば、これほど心強いことはない。

◆ステークホルダーを探そう

さて、スポンサーの次は間接的に仕事に影響を与える人を探そう。どんな仕事にも顧客(エンドユーザ)がいる。このような間接的な影響者を、「ステークホルダー」という。仕事を始める前に、主要なステークホルダーをリストアップしておき、彼らが、あなたの仕事の進め方をどのように感じ、どのように対応しようとしているかを知っておくことが重要だ。

◆スポンサーやステークホルダーを味方に付けよう

最も重要なことは、スポンサーの場合と同じく、ステークホルダーも「味方」に付けることである。できれば、すべてのステークホルダーを味方にしたい。しかし、あっちを立てればこっちが立たずといった状況は必ず出てくる。これはあきらめることだ。

そこで、ステークホルダーにランクをつける。仕事への影響の大きさに注目し、3〜4段階くらいにランク付けするとよい。そして、ステークホルダー間で利害の対立が起これば、まず、Win−Winの調整方法を探すが、どうしても見つからなければ、重要度の高いステークホルダーの利益を優先し、割り切って調整を行う。ここであまり情に流されると角を矯めて牛(プロジェクト)を殺すようなことになるので注意しよう。

ただし、スポンサーは別格であるので、その意向には気を配っておく必要がある。重要性のランク付けをする際に、さりげなく、スポンサーに匂わせて、意向を確認しておくとよいだろう。

◆情熱を伝染する

スポンサーやステークホルダと付き合うためにひとつ意識したいことは、あなた自身、あるいはプロジェクトの情熱を「移す」ことだ。これはあなたの態度次第だ。ステークホルダはあなたが面白くなさそうな顔をして仕事をしていたら、退いてしまうだろう。楽しそうに仕事をしているプロジェクトであれば、自分もかかわってみたくなるだろう。

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【カリキュラム】
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2.ステークホルダーの特定
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3.影響力の法則(R) ・影響力とは何か?
 ・(演習3)カレンシーを考える
4.概念的に考えて具体的に行動する・コンセプチュアルスキルとは
 ・本質を見極める
 ・洞察力を高める
5.ステークホルダーと良い関係を作る
 ・(演習5)期待と要求のロールプレイ
6.まとめ
 ・(演習6)カレンシーを再考する
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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