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構想フェーズでは、プロジェクトと製品に対する要求が決定され、実現性分析フェーズでは、収益とリスク軽減の方法が決定され、計画ではプロジェクト計画そのものが決定され、実行では経営的レベルの要求がきちんと満たされているかどうかが決定される

第17回 プロジェクトマネジメントに必要な意志決定(2010.10.19)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆プロジェクトマネジメントライフサイクル


前回までプロジェクトマネジャーやプロジェクトスポンサーの意志決定の重要性を説明してきたが、では、具体的にどのような意志決定をする必要があるのだろうか。今回は概要を説明する。

プロジェクトにおける意志決定はプロジェクトマネジメントのライフサイクルと密接な関連がある。ここではPMBOKのような複雑なフェーズモデルは考えずに、もう少し、単純にプロジェクト全体に対するモデルで考えていきたい。PMstyleでは、プロジェクトマネジメントライフサイクルを

(1)構想
(2)実現性分析
(3)計画
(4)実行
(5)統制
(6)終結

の6つのフェーズで考えている。(3)〜(6)は基本的にはPMBOK(R)のプロセス群と同じものなので説明は省略する。(1)と(2)は併せて、PMBOK(R)のプロセス群でいうところの立ち上げプロセス群に相当する。(1)の構想では

・プロジェクトの定義
・ステークホルダの要求の把握
・プロジェクト/製品/組織の目標の決定
・コスト、スケジュール、パフォーマンスの概算(preliminary)に対するリスク識別
・プロジェクトや製品に対する経営的要求の確定

などを行う。

(2)の実現性分析では、

・プロジェクト/製品/組織の目標の実現可能性の評価
・リソースの利用可能性の評価
・コスト、スケジュール、パフォーマンスのリスク評価
・収益の決定
・実行リスクの分析

などを行う。

◆各フェーズで行われる意志決定


これらのフェーズを前提にして、それぞれのフェーズにおいて意志決定をする。

まず、構想のフェーズでは、プロジェクトと製品に対する要求が決定される。次に、実現性分析フェーズでは、収益とリスク軽減の方法が決定される。計画ではプロジェクト計画そのものが決定される。実行では経営的レベルの要求がきちんと満たされているかどうかが決定される。統制では、パフォーマンスかどうかが決定される。終結ではプロジェクトが完了したかどうかが決定される。

例えば、消費財の開発を例に取ると以下のような意志決定が発生する。

まず、構想では

・市場ニーズは何か
・商品が競争力を持つためには、どのような展開が必要か

などである。次に、実現性分析では

・ビジネスリスクはどのようなものか
・期待される重要などのようなものか

などである。計画フェーズでは、

・組織的要求は何か
・生産設備はどこに置くか
・どのようなコスト見積もりを使うか

といったことがあげられる。さらに、実行では

・実行リスクは何か
・メンバーにどのようなトレーニングをするか

など。統制では

・プロジェクトマネジャーがどのように品質を確認し、品質の問題を見つけるか
・監視すべき情報をどのように入手するか

など。最後の終結では

・終結ドキュメントとして何が必要か
・終結の評価指標は何か

などである。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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