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No65. 組織のチェンジマネジメント《一般》(2019.04.28)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

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【目的】改善のために、業務を進める方法やプロセスを変更する

【用途】変更をスムーズに進めるため

【効用】必要なプロセス変更に対する妨害を最小限にし、迅速に進めることができる

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◆組織のチェンジマネジメント
プロジェクトメトリクスや進捗管理における差異分析、課題管理、品質保証、プロジェクトレビュー、振り返りなどにおいて、明らかに無駄なプロセスなどの改善の必要性が認められた場合に、プロセス変更などの組織における変更を行います。

変更は、プロセスなどが変われば、自動的に状況が改善されるものでもなく、新しいスタンダードなものとして、認められ、古いプロセスからの移行について、納得してそれを遂行することで、効果が発揮されるため、その移行には、リーダーシップを発揮する必要があります。

組織における変革(チェンジマネジメント)においては、次の役割を持つ人が必要であり、成功はその人たちがその役割をどれだけ果たすかどうかに依存します。成功のためには、まず、下記の役割を担うものは誰なのかを明確にします。

・リーダー:変革を行うリーダーは、変革が必要であることをビジネスケースにて示し、周囲の合意を受け、周囲からの支援を獲得する
・スポンサー:通常、変革を行うリーダーの上司であり、変革が望ましいことを示し資源を提供する
・エージェント(変革の支持者、推進者):新しいプロセスを展開し、説明を行う
・レシピエント(変革によって影響を受ける人):作業がどのように変わるかの説明を受け、納得する

そして、次に、変革についての計画を作成し、その計画を実行します。計画には、次の4つの要素が必要です。

・スポンサー(支援者)に担ってもらう実行責任(スポンサーシップ)を明示し、コミットメントを得る
・成果目標を達成する初期ベースラインと成果である新しいプロセスを説明する
・パイロットにて実現できた成果と同様の成果を、素早く展開するためのストーリー(スコープやスケジュールなど)を描き、レシピエントからの協力を得られるようにする
・変革に適応する対象者へのトレーニングを準備する

また、コミュニケーションやトレーニング、移行のための作業にコストがかかる場合には、予算を獲得します。
変革が組織にとって重要な場合は、移行のために6カ月以上かかる場合もあり、成果が素早く、明確にメトリクス(指標)で分かるようなスケジュールを作成します。

スポンサーシップとは、一般的には以下のように定義されています。
・権限委譲を実践している
・プロジェクト権限や意思決定を分散している
・通常は直接手出しをしないが、問題が発生した場合にはいつでも対応する
・簡潔なプロジェクト状況報告書があがってくるようにする(仕組みと風土)
・プロジェクトマネジャーやチームから問題点の指摘だけではなく、問題解決のため
 の問題解決案が提案されるようにする(仕組みと風土)

計画を作成後には計画に従って、変革の展開を行いますが、その際には、変革をするとどのようなベネフィット(便益)があるのか示し、以下の観点に注意しながら進めていきます。

・スポンサーシップ:組織からの支援を得る
・メトリックス:成果目標を定義し、特に初期目標の達成を示す
・ストーリー:変革が成功するまでの道筋を示し、共感を得る
・トレーニング:対象者のモチベーションを向上する


また、「90日変革モデル 企業変革を加速させる3つのフェーズ」のなかでは、変革のための、次の3段階モデルを示しています。

・解凍:新しい価値観の浸透、現在の均衡状態を流動的にする
・移行:新しい価値観を組織の常識にする
・定着:新しい価値観を定着させる

この中で第1ステップの解凍が特に重要です。今の価値観でうまくいっているのに、なぜ変更するのか、という疑問に対する回答と、移行ステップの前で、変革によるベネフィットへの理解を求めることです。

また、移行、定着ステップをスムーズに進めるために、最初の30日で、目に見える成果を上げることも重要です。

本質的な問題でなくてもOKですので、特にプロジェクトマネジャーに「助かる〜」と思ってもらえる成果を見せる必要があり、このスモールステップによりその後に、より協力、支援を得ることができるようになります。

【参考文献】
90日変革モデル 企業変革を加速させる3つのフェーズ」翔泳社(2008)ベナム・タブリージ(新井宏征訳)

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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