No41. プロジェクトレビュー《一般》(2015.12.04)
=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+
【目的】長期プロジェクトにおいて、定期的に計画、条件を再確認する
【用途】プロジェクトの状況を把握し、計画を改善する
【効用】プロジェクト目標を再認識、計画の改善、メンバーモチベーションの向上
=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+=+
◆プロジェクト計画は最初から正確・精密に策定できない
まず、プロジェクト計画は最初から正確・精密に策定することは困難であることを認識してください。
段階的詳細化がプロジェクトの特徴であることからも、計画のための見積りなどにおいても、初期計画には精度の点から完璧な計画を策定することは到底、無理ということです。
例えば、予算の見積りにおいても、下記の4種類の見積りがあります。
超概算見積り:プロジェクト立上げ時の見積りで、精度は、-50%〜+100%
概算見積り:プロジェクト立上げ完了の見積りで、精度は、-25%〜+75%
予算見積り:計画作成時の見積りで、精度は、-10%〜+25%
確定見積り:計画確定時の見積りで、精度は、-5%〜+10%
段階的詳細化を取り入れる場合は、初期計画では、予算見積りでスタートし、確定見積りを行う時期を決めておきます。
◆プロジェクトレビューを実施
そのため、局面(フェーズなど)が移行(トランジッション)する、下記のタイミングでプロジェクトレビューを行い、プロジェクト目標を再認識し、制約条件、前提条件を確認し、計画の改善を実施することで、、メンバーのモチベーション向上を図ります。
また、長期プロジェクトの場合は、3〜6ヶ月おきに必ず、プロジェクトレビューを実施します。
・プロジェクトライフサイクルやプロジェクトフェーズ
・マイルストーン、チェックポイント
・重大なプロジェクト変更後
・追加メンバーの参加やメンバーの離任後
・組織のビジネス再編成後
・会計の四半期末
プロジェクトレビューでは、以下のテーマをアジェンダとして準備し、少なくとも1〜2時間かけて、ディスカッションします。
・プロジェクトの状況把握・・・成果物の品質レビューだけではありません
スケジュールベースライン、コストベースライン、リソースベースライン、品質ベースラインとの予実差
・チームマネジメントの補強と信頼関係の構築
・プロジェクト目標の再考
・制約条件と前提条件の再認識
・追加すべきアクティビティとリスク特定
・アクティビティ工数見積もりとアクティビティ作業順序の見直し
・アクティビティ資源見積とコスト見積りの再考
・調達コントロールの再考
・プロジェクトの傾向分析と変更の分析
・レッスンズラーンド
・プロジェクトインフラストラクチャーの調整
プロジェクトインフラストラクチャーについては、下記のコラムをご参照ください。
PMstyle Kit No06. プロジェクトインフラストラクチャー(グランドデザイン)
◆勧告レポート作成
そして、プロジェクトレビューでは、プロジェクトに対して、勧告レポートを作成します。
その勧告には、プロジェクト監査で作成する勧告とは異なり、権限があり、プロジェクトでは実施する義務があります。
そのため、勧告を実施するアクティビティとそのオーナー(作業責任者)、期限、アクションリストを作成し、プロジェクトレビューオーナー(通常は、プロジェクトスポンサー)に提出し、そして、実施します。
◆関連するセミナーを開催します
╋【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
◆プロジェクト監査の理論と実際 ◆3.5PDU's
日時・場所:【Zoom】2024年 11月 29日(金)13:30-17:00(13:20入室可)
※ZOOMによるオンライン開催です。
※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス、PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/pm_audit.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画「プロジェクト品質向上のためのプロジェクト監査」
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
【カリキュラム】
1.プロジェクト品質とは
2.プロジェクトマネジメント品質向上への取り組み事例
3.プロジェクト監査と進め方
4.事例に見るプロジェクト監査の活用法
5.プロジェクト監査の視点
6.監査の実際
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
メルマガ紹介
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。