No35. 調達プロセス(4)〜調達終結《一般》(2015.10.09)
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【目的】外製部分成果物を受け取り、契約を完了する
【用途】調達プロセスを完全に終了する
【効用】外製部分の成果物の検証、調達の検証ができる
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◆調達終結
前号までは、調達プロセスの調達計画、調達実行、調達コントロールを取り上げました。
PMstyle Kit
No32. 調達プロセス(1)〜調達計画《一般》
No33. 調達プロセス(2)〜調達実行《一般》
No34. 調達プロセス(3)〜調達コントロール《一般》
本号は、それに続く、調達終結です。
調達終結は、文字通り、調達を終わらせるプロセスです。
◆成果物の確認
まず、調達した外製部分が完成したことを確認するために、受け取った成果物とSOW(調達作業範囲記述書)に記載された内容とに相違がないことを確認します。
承認されている変更については、こちらを優先します。
成果物の受取基準が設定されている場合は、その基準が満足されていることを確認します。
もし、内容の相違があったり基準に達成していない時は、相違や基準達成について、発注先との協議を行い、協議では解決できない場合や、納入すべき成果物が部分的にしか完成できなかった場合などには、発注元は、支払の延長やペナルティを課すことなどを考えます。契約にて記載がある場合は、契約に準じたことを実施します。
◆支払い
また、プロジェクトの中止や何らかの事情で、プロジェクトが早期に終了した場合には、契約に記載する期間、金額にて、支払を起こします。契約に記載がない場合は、協議にて、決めていきます。
ほとんどの場合は、差異がなく正常に完了しますので、発注先からの最終の請求書を受け取り、財務上の支払いを発生させます。
◆レッスンズラーンドと調達先の評価
そして、プロジェクト完了後、振返りの中で、発注先の作業について、評価し、それを記録し、レッスンズラーンドとして残します。
調達終結は、プロジェクト終結より、必ず前に行われますので、調達だけの振返りを行っておく方が良いかもしれませんね。
また、調達部門がある場合には、これらを協力して、行います。
そして、残すべきことは、契約に関するすべてのコミュニケーション、会計に関するレポート、プロジェクト状況レポート、変更履歴、その他調達に関すること、発注先に関することはすべて、記録として残します。
このことによって、次のプロジェクトで利用できる資産となります。
また、次プロジェクトで調達を考え、発注先候補を選ぶ場合、通常、下記のポイントを考慮します。
・技術:必要なスキル、技術を持った要員数(担当可能な要員数)
・実績:類似プロジェクトを成功させた(経験した)実績のある要員数
・管理:業務遂行に必要な管理能力を備えているか
業務遂行に必要な体制を備えているか
プロジェクトマネジメントレベル
・資産:プロジェクトに活用可能な資産
継続のメリット
発注側にはない開発環境を持っているか
・その他:受注について熱意を持っているか
その発注先に発注する必然性はあるのか
ですので、これらの情報について、必ず更新を行い、次プロジェクトでの調達に活かす情報として残すことも重要ですね。
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著者紹介
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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