本文へスキップ

イノベーション実践、コンセプチュアルスキル、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメント、PMOについての最先端の情報、研修、セミナー、コンサルティングをお届けします。

第99回 イノベーションの本質〜イノベーションはどう生まれるのか(2016.10.05)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆イノベーションはどう生まれるのかという問題

2013年4月9日に開始したイノベーション戦略ノートもおかげさまで次回で100回なので、このあたりで少し原点に戻ってみたいと思う。

この3年半くらいの間にイノベーションのイメージもかなり変わってきたというか、イノベーションというのが特別なものではなくなり、ツールの類もずいぶんみられるようになってきた。

ただ、では、イノベーションとは何ですかと聞かれると、3年前とそんなに変わらないようにも思う。そこで、イノベーションとは何かを再考するためにイノベーションの本質という切り口で、原点に戻ってみようと考えている。

まず、今回はイノベーションはどのように生まれるのだろうという問題について考えてみたい。


◆製品やサービスがいきなり生まれるわけではない

ウェブや雑誌で見かけるイノベーションの情報は商品やサービスであることが多い。ここにイノベーションの誤解が生まれるように思う。つまり、いきなり、商品が生まれているという誤解だ。特に、イノベーションの主体が技術から、アイデアに変わってきてこの傾向は著しいように思う。

いうまでもなく、イノベーションとして新しい商品やサービスがいきなり生まれるわけではない。アイデアが主体のイノベーションにおいてもだ。

イノベーションは変革である。変革の結果が商品やサービスである。


◆イノベーションのために変わるべき3C

変わるべきものは

・企業文化(Culture)
・コンセプト(Concept)
・ケーパビリティ(Capabilities)

の3つのCである。

つまり、企業文化から変わっていかない限り、イノベーションは生まれない。たとえば、21世紀になってからの最大のイノベーションだといわれるアップル社のiPhoneを考えてみてもこれは顕著だ。スティーブ・ジョブズがアップル社に復帰し、アップル社の文化がデザイン指向に大きく変わった。

それによって従来の製品のコンセプトが変わり、iPodが生まれ、ケーパビリティが変わった。そのような3Cの変化の中から生まれてきたのがiPhoneである。iPhoneの開発物語では、ジョブズが妥協せず、自分の使いたいものを突きつめる姿ばかりが強調されるが、ジョブズがもっとこだわったのは自社でそのようにものを考える文化であり、また、シンプルを中核にしたコンセプトであり、さらにはエンジニアのケーパビリティなのだ。

そして、これらの準備ができたところで、世紀のイノベーションiPhoneが生まれた。このようにイノベーションの本質の一番目は、イノベーションを生み出すものは、企業文化、コンセプト、ケーパビリティの3つである。


◆必ずしも人の問題ではない

日本人は人にこだわるので、これを結局人の問題だと見る人が多い。実際に日本企業は人の問題だとして、ある日突然、イノベーティブな商品やサービスが生まれてくると期待している。最近では、失敗はあるかもしれないが、いつかは生まれてくると期待している組織も増えてきた。

しかし、ケーパビリティ以外は人の問題ではない。だから、今のやり方では、おそらくイノベーティブな成果は生まれてこないだろう。正確にいえば、能力のある人以外
からは生まれてこないだろう。

3Cの変革に取り組むのか、そのまま放っておくのか、この問題にどう対応するかは自由だ。

そして、その点も含めたソフトウエアの問題である。


◆関連セミナー
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆コンセプチュアルな組織を創るマネジメント          ◆(7PDU's)
日時・場所:【Zoom】2024年 07月 23日(火)9:30-17:30(9:20入室可)
      【Zoomハーフ】2023年 03月 15日(水)13:00-17:00+3時間
        ※Zoomによるオンライン開催です
        ※ハーフセミナーは、事前学習3時間あります
        ※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
  講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス、PMP、PMS)
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/conceptual_management.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【カリキュラム】                     
 1.コンセプチュアルではない組織の問題点
  ・個人レベルの問題点
  ・チームレベルの問題点
  ・組織レベルの問題点
 2.コンセプチュアルなマネジメントのポイント
  2.1 質問型の組織を創る
  2.2 コンセプチュアルな組織活動のプラニング
  2.3 ステークホルダーへのコンセプチュアルな対応
  2.4 コンセプチュアルな人材育成
  2.5 コンセプチュアルな組織文化の構築
 3.コンセプチュアルなマネジメントの目標
 4.コンセプチュアルマネジメントでコンセプチュアルな組織を創る仕組みワークショップ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

メルマガ紹介

本連載は、コンセプチュアル・マネジメント購読にて、最新の記事を読むことができます。

コンサルティングメニュー紹介

PMOコンサルティング、PMOアウトソーシングサービス、人材マネジメントサービスなど、御社に最適のコンサルティングをご提案させていただきます。まずは、お問合せください。

Youtube始めました。チャンネル登録お願いします。PMstylebiz

書籍プレゼントはこちらから

お薦めする書籍

メルマガ購読

ブログ

公開セミナー(カテゴリー別)
日付順  カレンダー

お客様の声(掲載をご許可いただいた受講者の方のアンケート結果)

PMコンピテンシーとは

サイト内検索

Facebook

Facebook

Twitter