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第101回 イノベーションの本質〜イノベーションを生み出すために(2016.10.20)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆はじめに

イノベーションの最も本質的な課題は、どのようにイノベーションを生み出すかであろう。イノベーションに関する書籍は日本でも100冊はくだらない。それらの主たるテーマの一つは確実にイノベーションの起こし方であるので、すざましい情報がある。

その中から本質的な方法を選ぶというのは難しいが、ここでは個人的な見解として、本質だと思うことを述べてみたい。


◆シンプルかつ挑戦的なゴール設定

まず、最初に上げたいのはゴールの設定について、ゴールはシンプルでかつ、挑戦的なものであることが求められる。たとえば、アップルがiPodを開発したときのゴールは「1000曲の音楽をポケットにいれて持ち歩く」だった。極めてシンプルで、かつそれまでの機器と比較すると極めて大胆なゴールだった。だからこそ、開発に成功した商品が売れ、イノベーションとして成功したのだ。

ただし、通常、イノベーションが求められ、現実に起こっているのは日常業務の中が圧倒的に多い。イノベーションプロジェクトとしてすべてをかけて行われるようなケースはまれである。

日常業務の中で行う限り、失敗してもよいということにはなりにくい。言い換えると、イノベーションは失敗しても、ビジネスに影響が出てこないような構造を作ることが重要である。そのためにポイントになるのがゴール設定だ。

商品イノベーションを目指すのであれば、ラインナップを工夫し、開発の失敗が起こった影響を最小限に抑えられるようにするといったことだ。

これは一種のリスクマネジメントであり、リスクマネジメントをうまく取り組みながら、リスクを取っていくことが不可欠である。


◆問題の外に出てみる

2番目は問題の外に出てみることだ。イノベーションを考えるときに、問題の中から一歩出て客観的に問題を見ることでさまざまな視点からの考えが生まれて、イノベーションをもたらされることがある。

この際に重要なことは常識を捨てることである。問題の外に出ても、常識をそのまま引っ張っていることが少なくない。これを捨てない限り、本当に問題の外にでることはできないと考えた方がよい。

たとえば、カーレースで、エンジン出力の最大化、車体の軽量化という従来の直線を早く走るための常識を捨て、カーブを早く走れる車を開発し、成功した事例がある。常識を捨て、問題の外に出るというのはこういうことだ。

この事例でもう一つ見られたのは、異端を目指すことだ。従来やられている方法を敢えて取らず、そこに新しい方法を探す。これもイノベーションを生み出すために有効な手段である。


◆面白いと感じたことをやる

3番目は面白いと感じたことをやることだ。言い換えると囚われのない本来の自分自身の感性は常に正しい判断を下せると考える。

そのためには例えば、3Mが始めた20%ルールのように、制度的に興味のあることに取り組めると良いが、現実はなかなかそうもいかない。

そのような場合、日常業務の中で大胆なゴールを設定し、アイデアを膨らませ、アイディアを実現させるためにイノベーションプログラムやアクセレレータプログラムに参加してみるのも良いかもしれない。

以上の3つがイノベーションをうまく生み出すための本質だと考えていることだ。


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  ・組織レベルの問題点
 2.コンセプチュアルなマネジメントのポイント
  2.1 質問型の組織を創る
  2.2 コンセプチュアルな組織活動のプラニング
  2.3 ステークホルダーへのコンセプチュアルな対応
  2.4 コンセプチュアルな人材育成
  2.5 コンセプチュアルな組織文化の構築
 3.コンセプチュアルなマネジメントの目標
 4.コンセプチュアルマネジメントでコンセプチュアルな組織を創る仕組みワークショップ
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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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