◆WBSは成果物から作業へ
前回は、プロジェクトは5W2Hのフレームワークで考える、ということを述べました。
プロジェクトの計画は何から作成するのか
そして、プロジェクトの計画は、次の5W2Hの中のWhatからつくり、通常はそれはWBSで表現します。
What(何を) : テーマ名,対象と目的,成果など
Why(何故) : プロジェクトの背景や実施理由,提起問題や要求
Who (誰が) : 発注者,受注者,責任者,担当などから,顧客,連係者など
Where(どこで) : 実施場所,対象範囲(スコープ),前提/制約条件も含む
When(何時) : 契約日,開始日から,納期まで,一連のスケジュール
How(方法) : 実現性やその方法,進め方,計画,工法など
How Much(予算): 予算,投資額,経費,投資対効果など
WBSは、ツリー形式で作成することもありますが、通常は表形式で作成することが多いようです。
WBSの詳細については、こちら。
最上位レベルがプロジェクト名であり、次のレベルがプロジェクトを完成させるための成果物、その次のレベルが成果物を完成させるための要素成果物、・・・・と詳細化し、最後はその要素成果物を作成するための作業を洗い出していきます。
そのレベルは、特に決まっていませんが、3〜5レベル程度とよく言われています。
つまり、WBSはプロジェクトからスタートし、成果物、そして成果物を作業へ分解するためのツール(ツリー形式の図や表)ということが言えます。
プロジェクトには、背景や目的があって、それを実現するために作るべき成果物があり、それらは背景や目的によって、作る方法(開発プロセスなど)や中間で作るべきもの(成果物、たとえばプロトタイプなど)が変わってきますので、もちろん、Whyを加味したWhatであることも忘れていてはいけませんが。
そして、最下位レベルの作業を今度は、何日で、何人で、どの順番で誰が作業をするかを決めていきます。
もっとも重要なポイントは何日かかるのか(見積もり)、ということですね。
社内に標準工程や標準日数などが決まっていましたら、今回のプロジェクトは何キロの規模なので、この作業は何日のはず、といったことが算出されますが、ない場合は、やはり、自分の経験ややったことのある人からの意見などから考えます。
そして、
悲観値:最も最悪のことが起こると予測して、作業が完了するまでにかかる日数
これだけあれば絶対完了するであろうと考えられる日数
楽観値:最も最良のことが起こると予測して、作業が完了するまでにかかる日数
うまくいけばこれだけで完了するであろう考えられる日数
最頻値:最も多く予測される作業が完了するまでにかかる日数
の3点見積もりを行い、PERTを使って見積もりを算出します。
最頻値を使わずに悲観値と楽観値の平均を算出する場合もあります。
PERT手法の詳細については、こちら。
このように、詳細化した作業に対して、見積もりを行い、何日かかるかを算出し、じゃあ、何人でやろう仮決めし、作業の順番を考えてスケジュールを決めていきます。
次回は、作業の見積もり以降について、取り上げます。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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