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第5回 プロジェクトの計画、その前に(2) (2009.06.16)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆プロジェクトの計画、その前に(2)

今回は、どんな計画を作成するのか、です。

前回は、プロジェクトマネジメントの大きな5つのステップについて書きました。

立上げ   :プロジェクトを定義する
計画    :プロジェクトの計画を作成する
実行    :作成した計画を実行する
コントロール:プロジェクトの目的を達成するために、計画通り実行できるようにしたり、計画を変更する
終結    :プロジェクトを終了し、振り返りを行う

計画を作る前に、まず、ステークホルダー分析を行い、どんな人、グループがプロジェクトと関係するのか、その人たちはプロジェクトにどんな思いを持っているのか、どうすれば、プロジェクトにより参画してもらえるのかなどを分析します。その中では、プロジェクトに何を期待しているのかなども分析します。

もちろん、「あなたはプロジェクトに何を期待していますか?」と質問しても本当のことを答えてくれるとは限りませんし、質問すらできる状態ではない、誰が本当のお客さんなのかわからないなど、あくまでも予測で終わることが多いはずです。
ですので、ステークホルダー分析は、プロジェクトの立上げ時、計画時、実行時などプロジェクトの進行するにつれ、行う必要のあるマネジメントです。また、ステークホルダーとよい関係を作るためのコミュニケーションを計画して、実施する必要もあります。

つまり、ステークホルダーが誰で、何を期待し、そのステークホルダーをよい関係を作るために何をしていくべきかをプロジェクトマネジャーは考えておきましょう、ということになります。

次に、いよいよ計画を作成しますが、ここでは、PMBOK(R)ガイドでは、知識エリアという考え方があります。一言で言えば、何をマネジメントするか、です。

たとえば、時間をマネジメントするのはタイム知識エリア、お金をマネジメントするのはコスト知識エリアです。
次のように、9つの知識エリアがあります。

・統合  :他の8つの知識エリアを調整する
・スコープ:プロジェクトの成果物を定義する
・タイム :納期内にプロジェクトを完了させる
・コスト :予算内にプロジェクトを完了させる
・品質  :プロジェクトの品質を定義する
・人的資源:要員を配置する
・リスク :トラブルを未然に防ぐ
・コミュニケーション:プロジェクト内のコミュニケーションをマネジメントする
・調達  :資材の購買や外注をマネジメントする

計画は基本的には、知識エリア別に作成します。たとえば、タイム知識エリアであれば、ガントチャートのようなスケジュール表を作成し、コスト知識エリアであれば、予算表を作成します。

が、すべての知識エリアの計画を絶対に作らないといけないかと言えば、そうではありません。特にマネジメントしたい(目標を達成したい)部分は綿密に計画を作り、アバウトにマネジメントしたい場合は計画もアバウトに作ります。
↑←会社での決まりがある場合はそうとは限りませんので、ご注意ください。

そのあたりをマネジメントの方針として、決めて、それからタイム知識エリアであれば、スケジュールを作るという流れになります。

例えば、家を購入するプロジェクトというものを考えてみますと、30歳までに○千万以内でマンションを購入するというプロジェクトですと、安くてよいマンションで購入時期はそんなに急がないわけですので、マネジメントの方針としては、コスト、スコープ、品質、タイムの優先順位になります。ですが、転勤や教育事情などで、急に購入する必要が出てきた場合は、タイム、スコープ、コスト、品質の優先順位になってしまいます。

このように、計画はプロジェクトの特徴やどのようにマネジメントしたいかというプロジェクトマネジャーの考え方やどんなステークホルダーがいるかによって、変わります。
まず、それぞれの知識エリアについてのマネジメントの方針を決めていきましょう。
まったく計画を作らない、というのもマネジメントの方針ですので、作らないのもあり、です。
↑←会社での決まりがある場合はそうとは限りませんので、ご注意ください。

なかなか、計画の中身まで到達しませんが、次回は、本当に計画を作る部分について、取り上げましょう。

◆プロジェクト計画書作成のセミナーを開催します
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  講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス、PMP、PMS)
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/plan20.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画 プロジェクトマネジメント基礎(1) プロジェクトマネジメント基礎(2)
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 2.プロジェクト計画をデザインする
 3.プロジェクト計画の骨組みを決める
 4.プロジェクト活動計画書の書き方
 5.予算計画書の書き方
 6.リスク計画書の書き方
 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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