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第16回 コミュニケーションにおける知覚とは? (2009.11.17)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


前回は、ドラッカーの言葉をお伝えしました。

コミュニケーションの第1原理
   「聞くものがいなければコミュニケーションは成立しない」

また、
イスラム教の公案(日本で言えば、富士山を荒縄で縛って持ってきなさいというような禅問答)に、

「無人の山中で木が倒れたとき、音がするか」

とあります。

確かに木が倒れれば、音はします。
が、誰も聞いていなければ、誰かが音として認識しなければ、それは音ではない、ということであり、コミュニケーションは受け手の知覚が必要、と、といています。

知覚とは、外界にある対象や出来事に気づき、それと自分の差を認識するプロセスのことです。

知覚を受け手に持ってもらうためには、

・コミュニケーションは受け手の言葉を使う
・受け手が「何を」見ているかを知る
・受け手が「なぜ」見ているかを知る

という、受け手の状況や状態を考える必要があります。

つまり、
ドラッカーのコミュニケーションの第2原理
   「知覚を期待しているもののみを知覚する」

にありますように、受け手に知覚を期待してもらうことが重要です。
その情報を知りたい、と思ってもらう必要があるということです。

知覚がありませんと、「〜」という話は、右の耳から左の耳に受け流す、という状態になってしまいます。

・相手が何を聞きたがり、何を見たがっているかを知る
・相手の期待を知り、その期待を利用してコミュニケーションを行う

上記の2点が重要ですが、例えば、プロジェクトの進捗報告の場では、

・プロジェクトマネジャーが何に注目しているかをメンバーが知らなくてはならない
・メンバーが必要としている情報が何かをプロジェクトマネジャーは知らなくてはならない

ということです。

なんだか、いつも子供に「この前、何度も言ったでしょ!!!」と怒っていた私としましては、頭の痛い、耳の痛い話ですが。

と前回、書きましたが、子供はそんなこと知ったこっちゃない、と思っているところへ、しつこく私が言うものだから、余計、聞かなくなっているということですね。

この後、コミュニケーションの原理は第4まであるのですが、続きは、次回に。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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