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視点、視野、視座を変えることで、新しい事実や意見を発見し、先入観を防ぐことができる

第9回 先入観を防ぐ(2020.06.16)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代
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    ◆先入観を防ぐ

    PMstyleでは、「クリティカルシンキング入門」セミナーを定期的に実施しています。その中では、クリティカルシンキングのポイントとして、次の3つのポイントを解説しています。

    1.7つの心構え
    2.合理性を疑う
    3.思考を疑う

    本連載では、上記のポイントについて、身近な例を取り上げています。
    本号では、「3.思考を疑う」の中の、「先入観を防ぐ」を取り上げます。

    新たな状況において、何か意思決定をしなければいけない場合に、私達は今まで経験したこと、成功したこと、失敗したこと、有名な人が言っていること、本で読んだことなど、あらゆる知識を総動員して、それらをはかりにかけて決定しています。

    総動員するあらゆる知識の中には、古すぎる知識、今の状況では使えない知識、今の自分のスキルでは使いこなせない知識、自分の価値観とはそぐわない知識など種々雑多なものが混じています。
    その中から、今の状況にマッチしたもの、自分のスキルで使いこなせるもの、自分の価値観に沿っているものなどを抽出し、それらを統合して決定しているはずです。

    あらゆる知識がしょぼい場合は別として、その抽出が適切であればあるほど、自分としては最適の決定ができますし、適切でなければ、最終決定が妥当ではなくなってしまいます。ここでクリティカルに考えるべきポイントとして、先入観について考えてみましょう。

    「地球は丸い」のは、事実ですが、「地球は美しい」は意見であり、人によっては異なること「地球は汚染されていて汚い」と言うかもしれません。
    それは、客観的事実ではなく、主観的な意見です。

    「誰もがその意見に賛成だ」は、実際にアンケートや投票を行った結果であればほぼ事実(アンケートの内容、アンケートの取り方にもよります)ですが、誰かが思い込みで言っているのかもしれませんし、発言した人だけの意見かもしれません。それを偉い人が言った場合、さも事実のようにまかり通っていることが多いことでしょう。

    意見なのか、事実なのか、を考えてみることによって「先入観」を防ぐことができます。また、意見であれば、それを証明する根拠を探すことです。
    その場合、視点、視野、視座を変えることによって、何をどのポイントで見るのか、見る範囲、どの立場で見るかなどを変えてみることで、新しい事実や意見を発見し、先入観を防ぐことができます。

    また、説得力のある、自分が自信を持てる根拠にするために、PDCAを高速に回すことによって仮説検証を行うことも重要です。

    洞察力とはあくまでもいろいろな事実、観察した結果から推察することですが、どんな事実を見るのか、何を観察するのか、それらの関係を考える際に先入観からスタートしているのかもしれません。

    先入観がなければ、あらゆるものを見る必要があり、あらゆる関係を考える必要があり、天文学的回数になってしまいますので、仮説としてはある程度、先入観的なものは必要かもしれません。それをクリティカルに考えることによって、妥当であることが証明されれば、先入観ではなく、客観的事実になり、抽出した知識として妥当となり、適切な意思決定に貢献することになるのです。

    自分の考えが先入観ではないか、疑ってみましょう。

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            ※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
      講師:鈴木 道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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      主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
     ※Youtube関連動画「クリティカルシンキング」「プロジェクトマネジャーのためのシステム思考
    クリティカルシンキングはプロジェクトマネジメントに必要
    クリティカルシンキングで影響力の武器を使う
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      【カリキュラム】                           
       1.クリティカルに考えるとは
       2.ロジカルシンキング
       3.何を疑うのか(合理性)
       4.何を疑うのか(内省)
       5.クリティカルシンキングの4ステップ
       6.具体的状況におけるクリティカルシンキング演習
       7.クリティカルシンキング総合演習              
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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