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原因と結果の関係がある場合が因果関係であり、本当に因果なのかを疑ってみる

第5回 因果関係を疑う(2)〜疑似関係(2020.01.14)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代
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    ◆因果関係を疑う(2)〜疑似関係

    PMstyleでは、「クリティカルシンキング入門」セミナーを定期的に実施しています。その中では、クリティカルシンキングのポイントとして、次の3つのポイントを解説しています。

    1.7つの心構え
    2.合理性を疑う
    3.思考を疑う

    本連載では、上記のポイントについて、身近な例を取り上げていますが、本号では「2.合理性を疑う」の中の、「因果関係を疑う」として、因果関係ではなく、相関関係や第3の因子がある場合について取り上げます。

    御飯をいっぱい食べると太る、というのは、因果関係のようで、相関関係ですよね。

    ┌────────────────────────────────────┐
    │因果関係:二つ以上のものの間に原因と結果の関係があること。       │
    │相関関係:二つのものが密接にかかわり合い、一方が変化すれば他方も変化する│
    │     ような関係。                         │
    │     一方が増加すると、他方が増加または減少する、二つの変量の関係。│
    │                     出典:デジタル大辞泉(小学館)│
    └────────────────────────────────────┘

    上記のように、原因と結果の関係がある場合が因果関係で、理由は分からないけれど一方が変化するともう一方も変化する場合が相関関係です。相関関係の理由を明確にすれば、その関係は因果関係となりますので、因果関係を疑うことによって第3の因子が浮かび上がり、もやもやとしていた論理関係が、スッキリしてくるはずです。まず、その因果関係を疑ってみることが重要ですね。

    例えば、御飯をいっぱい食べると太ると言われているのは、炭水化物を多く含む食品を多く食べるとたんぱく質やビタミンなどの他の栄養素が摂取しにくくなり、エネルギーを効率よく消費できる筋肉をつけることができなくなり、体内脂肪として蓄積され、摂取カロリーがそもそも多いことによって太る、ということになります。(栄養学や運動学を詳しく正しく学ぶとこの論理が正しくないかもしれませんが、一般的なお話として呼んでください)

    また、御飯と言っても、主食のお米やパンだけではなく、副食のおかずなども多く摂取するが、運動もするということであれば、あまり太らないかもしれません。
    すると第3の因子として、「運動をしない」という要素が上げられ、

    「御飯をいっぱい食べて、運動もしない」 → 「太る」

    が因果関係となります。もう少し、突っ込んでみますと、体質も影響してきますので


    「御飯をいっぱい食べて、運動もしない」 → 「太る」
    「太る体質」 →→→→→→→→→→→→→┘

    「御飯をいっぱい食べて、運動もしない」 → 「体重は変化しない」
    「太らない体質」 →→→→→→→→→→→┘

    となってきます。このようなことを考えてみますと、今まで頭から信じていたことが本当にそうだろうか?と考え直すことができます。

     お客さんから「毎回の打合せには、Aさんは必ず呼んでほしい」と言われている
           ↓
     お客さんは、Aさんを信頼しているからだ

    という関係は、

    ・「お客さんは、Aさんを信頼している」 → 「打合せではAさんが必要だ」

    ・「お客さんは、Aさんを信頼していない」 → 「打合せにAさんが不在だと、後で面倒だ」

    のどちらであるのかが不明です。

    なぜ、お客さんはそんなことを言うのだろうか?

    とちょっと考えてみることで、その理由についての考えることができます。
    信頼しているのか、信頼していないのか、は、お客さんのこれまでの言動から洞察してみましょう。
    また、信頼しているのか、信頼していないのか、によって、これからのそのお客さんへの対応を変えることができますので、より良い打合せができるのではないでしょうか。

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            ※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
      講師:鈴木 道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
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      主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
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       1.クリティカルに考えるとは
       2.ロジカルシンキング
       3.何を疑うのか(合理性)
       4.何を疑うのか(内省)
       5.クリティカルシンキングの4ステップ
       6.具体的状況におけるクリティカルシンキング演習
       7.クリティカルシンキング総合演習              
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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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