◆前提を疑う
PMstyleでは、「クリティカルシンキング入門」セミナーを定期的に実施しています。その中では、クリティカルシンキングのポイントとして、次の3つのポイントを解説しています。
1.7つの心構え
2.合理性を疑う
3.思考を疑う
下記コラムもご参照ください。
PMの道具箱 第90回 クリティカルシンキング(1)〜7つの心構え
本連載では、上記のポイントについて、身近な例を取り上げていきたいと思います。
まずは、「2.合理性を疑う」の中の、「常識・前提を疑う」からです。
先日、地元で中学校のクラス会がありました。京都から特急で1時間半程度の地元ですので、日帰りで参加することもあり、私はここ数年、身軽に参加していました。
ところが、東京や他の県に住んでいる女子はほとんど参加することができません。なぜならば、お盆は子供や孫が集まったり、旦那さんの地元に帰省することが多いからです。
私達のクラスは、クラスのボスがリーダーシップを発揮し、かなり、昔からクラス会を実施していたそうです。その際に彼が、「お盆はみんなが帰省するから、参加しやすいので、お盆に開催しよう」と言い出し、ずっと、お盆に開催していたそうです。
確かに、成人式などお盆に開催する地方もあり、帰省する人も多く、クラス会開催には最適です。ですが、結婚し、子供ができ、父母、養父母の介護があり、と環境が変遷していくうちに、事情はどんどん変わります。なのに、クラス会はお盆開催が、常識・前提のままでした。
今回、次回開催のクラス会の副幹事(幹事は地元在住の男子)にボスから任命されましたので、次は、「県外女子の日程を優先したい!」と宣言したところ、みんな、なぜ?というぽか〜んという顔でした。
そこで、「今の時期がみんなはいいの?」と質問したところ、地元在住の男子女子は、全員「別にいつでもOK」という返答でした。
のちほど、ある女子から、「県外女子優先は素敵な考えですね」と耳打ちされたのですが、クラス会はお盆!という常識がみんなの頭に蔓延していたのです。
日程は、お盆が前提で、そして、会場を決め、イベント内容(今回は2千円程度のプレゼント交換会がありました)を決めるということが幹事の仕事だったのですね。
実際に名簿を見ると、県外男子は1名で、その彼は、前回、お盆に帰省した際に、参加しましたとのことでした。県外女子である私の親友は、夏休みは孫の面倒を見るので、無理!と毎回欠席です。また、東京から月に1回帰省する県外女子は、開催案内をもらう2カ月前にはすでにお盆の予定は決まっていて、参加することができませんでした。
そこで、来年は、夏休みを外して、6月、7月上旬、9月の中で、県外女子が絶対来れない日を外して、調整しようと考えています。もちろん、結果として、参加できない場合もありますが、やはり、一度はクラス会に参加してもらいたいですから、日程調整をしようと思っています。
また、PMstyleのコンセプチュアルスキル講座では、必ず取り扱っている「本質は非常識の中にある」について、カーレースの例を説明しています。
カーレース優勝のためには、「高出力、最軽量」が常識でしたが、コースを分析したところ、最高速度で走れるのは、全体の18%にしかすぎないことがわかり、残りの82%に全力を注ぎ、優勝を勝ち取った、という話です。
常識ではなく、あらゆる条件・状況を検討することで、本質が見えてきたということですね。
まず、自分たちが頭の中で固定してしまっている前提条件って何だろうと考えて、それが本当に前提でいいのか?を疑ってみましょう。
他の人から見ると前提ではないことが多いですので、違う立場の人にも質問してみるのもいい方法ですね。
◆関連するセミナーを開催します
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆クリティカルシンキング入門〜システム思考で考える ◆7PDU's
日時・場所:【Zoom】2025年 01月 17日(金)9:30-17:30(9:20入室可)
【Zoomハーフ】2024年 11月 20日(水)13:00-17:00+3時間
【Zoomナイト】2024年 12月 18日(水)20日(金) 19:00-21:00+3時間
※Zoomによるオンライン開催です
※ナイトセミナーは、2日間です
※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
講師:鈴木 道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/critical.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube関連動画「クリティカルシンキング」「プロジェクトマネジャーのためのシステム思考」
「クリティカルシンキングはプロジェクトマネジメントに必要」
「クリティカルシンキングで影響力の武器を使う」
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【カリキュラム】
1.クリティカルに考えるとは
2.ロジカルシンキング
3.何を疑うのか(合理性)
4.何を疑うのか(内省)
5.クリティカルシンキングの4ステップ
6.具体的状況におけるクリティカルシンキング演習
7.クリティカルシンキング総合演習
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。