◆ファシリテーション・グラフィック
ファシリテーションは最近、会議運営などを中心に関心が高まってきていますが、プロジェクトにおいては、チームがチームとして機能し続けるための活動だと捉えることもでき、チームマネジメントでは重要なスキルです。
もともと、ファシリテーションはいろいろな分野、場面で応用できるスキルであり、「会議を効果的に運営するための働きかけ」と定義されています。
応用されている場面として、
・問題解決型ファシリテーション:会議などにおけるチーム活動全般の推進を司る
・合意形成型ファシリテーション:多様なメンバーの意見を引きだし、コンセンサスをつくる
・教育研修型ファシリテーション:教育において、知識を教えるのではなく、自律的な学習を促す
・体験学習型ファシリテーション:同じ体験を共有することで学習を促す
・自己表現型ファシリテーション:芸術活動分野において、相互作用を促すことで、新しい作品を創造する
・自己啓発型ファシリテーション:メンバーに気づきを与えて、自己変革を促す
があります。
ファシリテーション・グラフィックは、これらのファシリテーションを支援するツールです。
人間は、目や耳や触覚からの情報全体の80%以上を目からの情報に頼っているそうです。つまり、視覚情報を使えば言葉だけのコミュニケーションに比べ、格段にコミュニケーションの精度が上がります。
この原理を応用したものが、ファシリテーション・グラフィックであり、議論の内容を文章や図形を使ってわかりやすくビジュアルに記述する「議論を描く」ツールです。
ファシリテーション・グラフィックは、アメリカで開発された技法であり、NPOなどの会議で使われていたそうです。
現在では、打合せなどで、ホワイトボードなどに発言をメモしながら議論することも多いですが、これらもファシリテーション・グラフィックです。
また、ファシリテーション・グラフィックの利点として、
・議論を編集してわかりやすく掲示する
⇒議論を構造化してビジュアルに見せることで、参加者は誤解なく理解できる
・議論のポイントに集中させる
⇒ホワイトボードなどに注目させることで、議論がそれないようにする
・発言を定着させて安心を与える
⇒発言を文章にすることで、意見を理解していることを伝える
・議論に広がりを与える
⇒議論をビジュアルに整理することで、モレ、抜けを発見できる
・共通の記録として残す
⇒ファシリテーション・グラフィックが共通の記憶とし残る
などがあり、会議をファシリテートしたいプロジェクトマネジャーやプロジェクトリーダーが、是非、身に着けたいスキルです。
(参考文献:問題解決ファシリテーター「ファシリテーション能力」養成講座、堀公俊氏)
(参考文献:ファシリテーション・グラフィック─議論を「見える化」する技法、 堀 公俊氏・加藤 彰氏)
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
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