◆標準リスクモデル
今回は、標準リスクモデルについて、ご紹介します。
PMBOK(R)ガイドにおけるリスクマネジメントは、
1.リスクマネジメント策定:リスクに対する方針や発生確率、影響度の判断基準を決める
2.リスクの特定:プロジェクト内に存在する個別のリスクを洗い出す
3.リスク分析:発生確率、影響度を予測し、リスク評価を行う
4.リスク対策:大きいと判断されたリスクに対して、対策をたてる
5.リスク監視:4.までに作成されたリスクのトラッキングを行う
という手順で行い、2.〜4.で作成された計画はすべて、リスク登録簿と呼ばれています。
また、リスクの特定を実施する段階で、リスクの表記を、
・根本原因:リスクが発生する根本原因
・リスク事象:発生するとプロジェクトに影響を与える事象や状況
・プロジェクトへの影響:リスクが発生した場合のプロジェクトの影響
の3つの項目で表現しますので、三表記法と呼ばれています。
このようなリスクの表記の方法をプロジェクトリスクモデルと呼びますが、ここでは4つのプロジェクトリスクモデルをご紹介いたします。
(参考文献:実践・リスクマネジメント プレストン・G・スミス+ガイ・M・メリット著、生産性出版)
・標準リスクモデル
・単純リスクモデル
・カスケードリスクモデル
・石川リスクモデル
の4つがありますが、すべて、リスク事象、その影響、プロジェクトに対する損失量、リスク事象の発生確率、影響の発生確率、リスク事象のドライバー、影響のドライバーの7つ要素でモデル化されています。
PMBOK(R)ガイドのリスクモデルと異なるのは、ドライバーという要素があることと影響にも発生確率がある、ということです。
リスク発生 ⇒ プロジェクトへの影響
↑確率がある ↑ここにも確率がある
リスクは、もともと不確定な事象ですので、発生確率が0%や100%はありえず、0%より大きく、100%より小さいものです。
それでは、リスクが発生すると、即プロジェクトへの影響が出るかと言うと、そこにも発生確率を考えているのが、標準リスクモデルです。
上記の4つのプロジェクトリスクモデルの中の単純リスクモデルは、影響の発生確率をほぼ100%と捉えていますので、三表記法とほぼ同じ考え方です。ただ、単純リスクモデルにもドライバーは存在します。
それでは、プロジェクトリスクモデルにおけるドライバーとは何か、は次回にします。
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。