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第1回 プロジェクトマネジメントの現場力(2007.12.28)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


この連載では、組織(経営)の「現場力」としてのプロジェクトマネジメントとはどういうものかについて考えてみたい。第1回の今回は、その原点として、プロジェクトにおける現場力とは何かということを考えてみる。

◆プロマネが自分の判断で目標を変えることができない?

ここ数年、組織マネジメントの中で現場力への関心が非常に高まってきている。「ひとつ上のプロマネ。」ブログに書いた

プロジェクトマネジャーの現場力

という記事でも述べたが、プロジェクトマネジメントにおける現場力とは何かと考えてみると、

プロジェクトが自ら、プロジェクト環境を察知し、それに合わせてプロジェクトの目標や計画を変えていくことである

といえる。この定義に対して、ある方から「自分の組織ではプロジェクトマネジャーが自分の判断で目標を変えることは難しい」というコメントを戴いた。

決定することと承認することが混乱してしまっているので誤解を招きやすいのだが、この方が言われていることは、承認が必要だという話だと思う。もしそうだとしたら、考えてほしいのは、プロジェクトマネジャーが意識すべきなのは本当にそういうことかということだ。


◆状況設定

商品開発のプロジェクトを考えてみよう。市場に変化があって、その商品開発を実施しているよりどころになっている戦略に適合しないとしよう。たとえば、競合製品の登場により、計画している機能では目標としているシェアがとれる見込みがなくなった。当然、組織としても何らかの手を打つ。

ここで問題は、誰がそれにもっともはやく気がつくかということだ。商品企画部門が企画した商品だとしても、おそらく最初に気がつくのはプロジェクトの現場である(あるべき)。プロジェクトが気がつかないと、企画部門が気がつくのはもっと遅くなる。すると、プロジェクトのスコープ変更の影響は大きくなる。

あるいはSIプロジェクトでも同じ状況はありうる。顧客の要求に変化があった。それに対応しない限り、そのプロジェクトで顧客の満足を勝ち取るのは難しい。顧客は追加できる予算はないと言っている。いずれ、営業かアカウントマネジャーが相談を受け、対応することになる。しかし、顧客に予算はないのだから、できるだけ早く対応して、仕様を変更したい。


◆プロジェクトが持つ選択肢

この状況においてはプロジェクトは3つの選択肢を持つ。

一つ目は、リスクに対する対応計画の形で変更することを事前に承認を取っておくことだ。リスク対応計画の無条件の施行にも現実にはいろいろな議論があるが、形の上では正しいやり方であるし、プロジェクトマネジメントでもっともよいとされているのはこの方法である。

二つ目は、気づいた時点でコミュニケーションをとり、企画部門をはじめとするステークホルダに動いて意思決定をしてもらうという方法だ。この場合は、スコープが変わるということを前提にして、柔軟な進め方をしておく必要がある。

三つ目は二つ目と似ているが、気がついた時点でどのように対処をするかをプロジェクトで決め、その方向に決まるようにステークホルダを説得していくという方法だ。


◆現場力とは何か

このケースで現場力とは何かというと、まずはリスクにしろ、問題の発生にしろ、気がつくことだ。気がつかなくては何もできない。

次に、リスク計画の場合には、発生した際にスムーズに関係者が対応してくれるようなコミュニケーションを継続的に行うことである。これは報告というレベルでは無理だ。本当の意味でコミュニケーションを行う必要がある。

二番目は危機感を伝えるという意味でのコミュニケーションが必要であるが、それよりも、変わるという前提の中でプロジェクトの計画を見直し、想定される組織の対応に応えるシナリオを作ることがより重要である。

三番目は相手を動かすスキルである。

いずれの場合も、プロジェクトマネジャー自身が勝手に変えるという話にはならない。組織で仕事をしている限り承認は必要である。しかし、いずれの場合にも、プロジェクトマネジャーが主体性を持っている。違う言い方でいえば、自分の「意志」でプロジェクトを動かしている。大切なのはここである。自分の意志でプロジェクトを動かすために必要な力が現場力だと言ってもよい。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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