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第2回 P2Mタワーと知識体系(2012.09.29)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆P2Mタワーと知識体系

「P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント)早わかり」の2回目です。
前回は、P2Mの概要として、日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)やP2Mの資格やプログラム、プロジェクトについて、書きました。
今回は、P2Mの体系を概念として図式化しているP2Mタワーの概要について、書いています。

さて、P2Mにおいては、企業戦略から戦略を実現するためにプログラムがあり、プログラムには、複数のプロジェクトが含まれています。

そして、企業戦略から戦略を実現するところには、経営者の想いがあるはずであり、それはミッションと呼ばれ、そして、そのミッションをP2Mではプログラム、プロジェクトにて展開しています。

この流れを実現していくマネジメントの知識体系を3層構造のP2Mタワーで表現しています

P2Mタワーでは、ピラミッドのトップにはミッションがあり、そのミッションを実現するために2階層目にプログラムマネジメント層があります。

プログラムマネジメント層には、統合マネジメントとして、

・ミッションファイリング
・プログラム戦略マネジメント
・アーキテクチャマネジメント
・アセスメントマネジメント
・プログラム実行の統合マネジメント

が配置されています。

そしてプログラムは、複数のプロジェクトで構成されていますので、3階層目はプロジェクトマネジメント層です。

プロジェクトマネジメント層には、プロジェクト個別マネジメント群として、
・プロジェクト戦略マネジメント
・プロジェクトファイナンスマネジメント
・プロジェクトシステムマネジメント
・プロジェクト組織マネジメント:QCDSをコントロールする8つのマネジメントがある
・プロジェクト目標マネジメント
・プロジェクト資源マネジメント
・リスクマネジメント
・情報マネジメント
・関係性マネジメント
・バリューマネジメント
・コミュニケーションマネジメント

が配置されています。

PMBOK(R)の知識エリアとほとんど同じように分類されているマネジメントもあれば、PMBOK(R)で統合知識エリアと呼ばれている部分をバリューマネジメントや目標マネジメントなどに分類して部分もあります。(詳細は次回にて)

P2Mでは、まずミッションがあり、そしてプログラム、プロジェクトの3層構造のP2Mタワーで、知識体系を整理しています。

対して、PMBOK(R)では、個別のプロジェクトマネジメントの知識体系からスタートし、複数のプロジェクトをマネジメントするためのプログラムマネジメントの知識体系やポートフォリオの知識体系が整理されています。

そのため、PMBOK(R)においては、プロジェクトマネジメントとプログラムマネジメントの知識体系がオーバーラップしている部分が多いようです。

それらの違いなどを、次回、プロジェクト個別マネジメント群の解説において、進めていきます。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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