◆P2Mとは
メルマガ連載の新シリーズとして、
「P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント)早わかり」
を連載します。
P2Mとは、(財)エンジニアリング振興協会が経済産業省の委託事業として、2001年に発行した日本初(発)の「プロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック」のことです。
2002年以降、日本プロジェクトマネジメント協会(PMAJ)が普及を担当しています。
日本では、プロジェクトマネジメント標準と言えば、米国PMIのPMBOK(R)ガイドが有名であり、実際、導入されている企業も多いですが、P2Mには、いろいろな長所もあり、そのあたりにスポットを当ててみたいと考えています。
PMBOK(R)ガイドは、現在、2008年に発行された第4版が最新であり、2012年今年、第5版が発行されるそうです。
PMBOKガイド(R)は、元々、英語で記述されていますのが、日本語への翻訳は、PMI日本支部が中心になって行っています。(現在は、PMI本部が行っています)
ですが、1996年に発行された第1版PMBOK(R)ガイドは、当時はPMIの日本のブランチがなかったため、日本プロジェクトマネジメントフォーラム(現在のPMAJ)が翻訳をし、普及活動をしていたという経緯があります。
とは言っても、2001年に制定されたP2Mは、日本のプラントエンジニアリングのプロジェクトマネジメントを基に、日本のマネジメント手法を融合した
「プロジェクト&プログラムマネジメント標準ガイドブック」
です。
当時、PMIにはプログラムマネジメント、ポートフォリオ、コンピテンシーなどの標準はありませんでしたから、全くの日本におけるプロジェクト・プログラムマネジメントの標準に間違いありません。
そして、P2Mは、プロジェクトにおいてPDCAサイクルを回すだけがプロジェクトマネジメントではなく、
−−−
企業戦略から戦略を実現するためにプログラムがあり、
プログラムには、複数のプロジェクトが含まれ、
それぞれのプロジェクトには、ミッションや目的があり、
それを実現するためにPDCAサイクルを回す。
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と定義しています。その中には、P2Mタワーと呼ばれる知識体系とマネジメントを行っていくための実践力が定義されています。
また、P2Mの資格には、(2012年9月当時)
・基礎レベルのPMC(合格者1527名)
・中級レベルのPMS(合格者4532名)
・応用レベルのPMR(合格者64名)
・高度レベルのPMA(試験未実施)
の4種類があり、PMAJでは、P2Mの資格認定と研修事業を行っています。
PMAJの会員になると、研修や受験料の割引があり、部会や研究会活動に参加することができます。
今回の連載では、2004年に第2版PMBOKガイド(R)にてPMPを取得後、3年ごとの更新を2回行い、2011年にPMSを取得した筆者が、P2Mについての解説を月2回程度、続けていくつもりです。
P2Mにあって、PMBOK(R)ガイドにないことや、PMBOK(R)ガイドにあって、P2Mにないもの、などの比較をしながら解説を試みます。
また、P2Mの活用事例などについての特別寄稿などを他の方にお願いしながら、1年ほど、連載を続けます。よろしくお願いします。
それでは、次回は、P2Mタワーによる知識体系概要から、解説を進めていきます。
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1.プロジェクトによる価値創造のためのマネジメントとは
2.プロジェクト・イニシアチブの実践
(1)プロジェクト・イニシアチブの構想と計画
(2)ポートフォリオによるインパクトのデザイン
(3)プログラムによるインパクトのマネジメント
(4)価値を創造する個別プロジェクトの構想、計画、マネジメント
3.プロジェクト・イニシアチブの構想演習
4.プロジェクトによる価値創造の実際
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鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。