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【PMOコラム23】 PMOモデル(2007.05.14)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆プロジェクトマネジメントオフィスの3つのモデル

プロジェクトマネジメントオフィスの役割にはどういったものがあるのだろうか?この議論は2つの視点からする必要がある。ひとつは、プロジェクトマネジメントに対して、どのようなスタンスをとるかという議論である。もうひとつは、どのような機能を果たすかである。今回、したいのは前者に対する議論である。

プロジェクトマネジメントオフィスのプロジェクトに対する関わり方は一般に、PMOモデルと呼ばれれ、2種類、あるいは3種類ある。


◆ストロングモデル

ひとつは、ストロングモデルと呼ばれる強い関わり方である。ストリングモデルでは、組織のプロジェクトマネジメントの実行そのものにPMOがコミットする。場合によっては、プロジェクトが行うプロジェクトマネジメントにコミットする場合もある。

一般にはストロングモデルのPMOは、標準化や機能の導入以外に、バーチャルチームの形成、計画書のレビューや、プロジェクト監査、リカバリーマネジメントなどの形で、プロジェクトの外部からプロジェクトマネジメントを支援していくことが多い。

また、いわゆるプロジェクトオフィス機能としてプロジェクトマネジャーの行うプロジェクトマネジメントの一部を引き受けるケースもある。例えば、プロジェクトマネジメント計画書の作成、上位組織への報告書の作成、会議体の運営、ファシリティの手配などを行う。また、プロジェクトマネジャーに代わって、メンバーの教育・指導などをすることもある。


◆コンサルティングモデル

これに対して、コンサルティングモデルと呼ばれるモデルはプロジェクトマネジメントに対してあくまでもコンサルティング的な立場で接していく。自発的に何かサービスを提供するということより、あくまでもプロジェクトや組織から相談があったときに出動し、相談された問題を解決していくというスタンスだ。支援内容的にはストロングモデルと重複する部分も多い。例えば、計画書のレビューをしたり、監査を行ったり、リカバリーを行う場合もあり、スタンスの違いだと考える方が分かりやすい。

ストロングモデルと異なるところは、自らが計画を作ったり、あるいはリカバリーに入ったり、あるいは、プロジェクトマネジメントをしたりということはない点である。

PMOの戦略の中でもっとも重要な部分はこのどちらのスタンスをとるかであり、これによって、PMOの性格も変わるし、必要なリソースも大きく変わってくる。


◆ブレンドモデル

ストロングモデルとコンサルティングモデルの折衷で、ブレンドモデルというスタンスの取り方もある。これは、例えば、プロジェクトトラッキングとリカバリーについてのみ、ストロングモデルを採用し、それ以外の部分ではコンサルティングモデルを採用するというようなものだ。

PMOとしては、もっとも力量が必要になるのが、ブレンドモデルであろう。

このようなスタンス(タイプ)分類でキーになっているのは、前回述べたプロジェクトマネジメントのオーナーシップである。ストロングモデルは基本的にはオーナーシップを持とうとするスタイルであり、コンサルティングモデルはオーナーシップを持たないスタイルである。どちらを選ぶかというのはプロジェクトマネジメントの成熟度によっても変わってくるし、また、企業の姿勢によっても変わってくるだろう。

プロジェクトマネジメントに人間的要素を強く求める企業はコンサルティングモデルを採用し、オーナーシップを重視しない傾向がある。プロセスや標準を重視する企業は、オーナーシップを重視し、ストロングモデルを採用する傾向がある。

特に、企業の姿勢の中で、押さえるポイントだけは押さえたというのがブレンドモデルということになる。日本企業では、ブレンドモデルが多いようである。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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