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【PMOコラム68】PMOのサービスマネジメント(9)〜サービスデリバリー(2)(2008.08.18)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆はじめに

前回、PMOサービスのデリバリーシステムとして、PMOスタッフにはどのような能力が求められるかを議論した。結論としては

1)プロジェクトマネジャーのカウンセリング
   →プロマネの真の要求を理解し、明確化させる
2)プロジェクトマネジャーのコンサルティング
   →プロマネに情報を提供する
3)プロジェクトマネジャーと上位組織との仲介
   →標準化できない特殊な要求にどう対応するか

の3つが必要だというところまで述べた。

今回は、この能力をもう少し、議論してみたい。まず、最初に明らかにしておきたいのは、PMOスタッフがこのような能力を発揮するのは、一定のPMOサービスの遂行の中での話である。もちろん、この3つをPMOサービスとしてしまってもかまわないが、特に3)をそのままPMOサービスだと言ってしまうと、便利屋さんになってしまう可能性が高い。PMOがプロジェクトマネジメントに対して一定の影響力を持つためには、はやり、PMOは、機能を明確な形で提供すべきだろう。つまり、ここで想定しているのは、PMOサービスを提供するために、このような能力が必要だと捉えていただきたい。


◆プロジェクトマネジャーの要求の裏にあるものを探す

プロジェクトマネジャーにPMOに対する要望を聞くと必ず出てくるのは、リソースの確保である。ここで、上位組織との仲介の役割を果たすPMOスタッフも少なくないが、その結果がよい方向に行っているかというとそうでもない。せっかく人を探してもらっても、うまく使えずに、挙句の果てには確保した要員のスキルや性格の問題を言われることも少なくない。

このような現象のどこに問題があるのだろうか?

PMOがプロジェクトマネジャーの要求に対応するためには、どこに本当の要求があるかを明確にする必要がある。少なくとも計画段階でそれなりに要員計画を検討したプロジェクトで「要員が欲しい」という要求がそのままということはあまりない。別の要求がそのような形で表れていることが多いのだ。

この際に気をつけないならないのは、人は自分の問題を外部の問題に転嫁する傾向があることだ。たとえば、メンバーの動機づけができずに、思ったほどの生産性が出ないプロジェクトで、プロジェクトマネジャーがまずいうのは、「人が足らない」という問題で、人が欲しいという要求になる。これを間に受けてもまず、うまくいかない。

そこで、プロジェクトマネジャーと会話をしながら、本当の問題や要求がどこにあるかを探り当てていく。これがカウンセリングである。


◆プロジェクトの問題をプロジェクトマネジメントの問題として定義する

そして、それが仮に、プロジェクトやプロジェクトマネジャー自身の問題であったとしても、それを受け入れて貰うことにPMOサービスの本資があるし、受け入れてもらった後にPMOのサービスメニューの中から然るべきものを選択して、提案をしていくことが必要である。

問題解決プロセスの基本じゃないかと思った人も少なからずいると思うが、そのとおりだ。仮に百歩譲ってプロジェクトマネジャーの要求にこたえることによってプロジェクトが成功したとしても、それがPMOの仕事ではない。プロジェクトマネジャーの要求をプロジェクトマネジメントの問題に落し、それによりプロジェクトマネジャーの要求を明確化し、それに(できれば制度として)応えていくのがPMOの仕事である。

PMOがプロジェクトマネジメントのオーナーシップを取るということはそういうことなのだ。

そのための必要能力がカウンセリングである。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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