◆プロジェティスタに求められる4つのスキル
前回は、なぜ、ミドルなのかという議論をした。今回は、ミドルがプロジェティスタとして活躍するために必要とするスキルについて考えてみよう。
ミドルマネジャーが前々回のヤマハの光るギター「EZ-EG」を開発した旭保彦さんのような活動をこなしていくには、以下の4つのスキルが必要である。
(1)プロデュース
(2)コラボレーション
(3)プロジェクトマネジメント
(4)メンタリング
である。
詳しくは次回以降に解説していくことにして、今回は簡単に説明しておく。
◆プロディース
まず、プロデュースであるが、プロジェクトの構想を創っていくことである。「創造するミドル」になっていくことだ。プロディースというと、「創造」というイメージがあるが、創造は必ずしも新しいものを創るだけとは限らない。それ以外にも、普段やっていることを創造的な仕事にすることも必要だし、また、未知の分野で仕事をすることも重要である。ミドルとしての活動のウィングをもっと広げて考えれば、メンバーに創造的な仕事をさせるということも必要である。
中でも、重要だと思うのが、未知の分野で仕事をすることではないだろうか?日本人は専門性にこだわる人が多い。これ自身は悪いことではない。どの世界に行っても専門性というのは尊重されるし、重要視される。しかし、そのことと、専門外のことに手を出さないというのは別の話だ。専門外の部分にどんどんチャレンジしていくべきだ。
◆コラボレーション
二番目はコラボレーションである。プロジェクトマネジャーの仕事ではコミュニケーションが重要であるが、プロジェティスタの仕事には、社内外を問わないコラボレーションが不可欠である。コラボレーションによって如何に多くの人を自分の仕事に協力者として巻き込んでいくかがすべてだといってもよいだろう。
◆プロジェクトマネジメント
また、プロジェティスタには、現場の管理能力も必要である。「狭い意味での」プロジェクトマネジメントである。また、場合によってはプログラムをマネジメントする能力も必要になることがある。
◆メンタリング
4つ目は、メンタリングである。プロディースのところで触れたように、自分自身の活動を創造的なものにしていくには、いろいろな意味でメンバー(一緒に仕事をする人)が自立しており、創造的であることが求められる。そのようなメンバーに恵まれればよいが、いなければ育てなくてはならない。その際、メンバーのメンターになることが望ましい。特に重要なのは、プロジェティスタとしてロールモデルになることである。
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