◆ドラッカーの石切り工問答
こんな話をご存じだろうか
教会の建設地で、仕事をしている石切工がいる。その石切工が、何をしているのかと聞かれた。
石切り工1:暮らしを立てている
石切り工2:石切りの仕事をしている
石切り工3:教会を建てている
ドラッカーがマネジメントを説明するのに示した例えで、マネジャーとは三番目の石切り工のことであるべきだというのがドラッカーの主張。
◆プロジェクトマネジャーなら?
さて、石切り工をプロジェクトマネジャーに置き換えて考えてみよう。
プロマネ1:暮らしを立てている
プロマネ2:プロジェクトマネジャーの仕事をしている
プロマネ3:
さて、プロマネ3のところに何が入るのだろうか?
・教会を予算通りに、予定通りに作るために管理をしている
といったことだろう。
◆プロジェクトスポンサーなら
では、もうひとつ。プロジェクトスポンサーならどうか?
プロジェクトスポンサー1:暮らしを立てている
プロジェクトスポンサー2:プロジェクトスポンサーの仕事をしている
プロジェクトスポンサー3:
プロジェクトスポンサー3のところには何が入ればいいのだろうか?
少し、脱線する。「現場力を鍛える」で有名な遠藤功先生は日本企業の現場力とは、「戦略を微調整する能力」だという。
これは、現場リーダーであるプロジェクトマネジャーと、経営の立場からプロジェクト管理を行っているプロジェクトスポンサーがかみ合って、初めて可能になる。
つまり、プロジェクトスポンサーが経営(戦略)が何をやりたいかを理解し、また、現場の思いを掌握し、現場の思いを活かしながら、経営の意図を実現するプロジェクトを定義する。そして、それをしっかりとプロジェクトマネジャーに伝えた上で、権限委譲する。場合によっては、市場や顧客などの意図をくみ取り、経営の意図を整合するために経営の意図を修正することも躊躇しないというリーダー行動が必要になるのだ。
このように考えると、プロジェクトスポンサー3には、
・一人でも多くの人が、キリスト教により救われために集い、信仰を深める敬虔な場を作っている
といったような答えが入ってほしいわけだ。
◆プロジェクトスポンサーはトランスミッション
つまり、戦略と自分の活動の紐付けをきちんとすることがプロジェクトスポンサーの役割だ。この役割が機能しないと、いくら現場に技術力があっても、営業力があっても、現場力は高まってこない。
プロジェクトスポンサーは、現場力の触媒であり、現場力という動力で会社を動かしていくトランスミッションである。
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好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
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