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選択肢は、目的によって、大きく異なるため、意思決定は何のために行うのか?という目的を明確にする。

No48. 意思決定の方法(3)《PMstyle》(2016.01.23)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

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【目的】複数の選択肢の中から、体系的な意思決定プロセスにて、1つを選択する
【用途】プロジェクト期間を通じて、あらゆる局面において
【効用】最終的に顧客が期待する成果物を提供することができる
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◆意思決定の留意点

プロジェクトに関わらず、意思決定の基本プロセスは、次の通りです。

・問題の定義
・目的の明確化
・選択肢の特定
・不確実性の特定
・選択肢の評価
・評価のための追加情報収集
・決定と実行
・モニタリング

では、プロジェクトマネジメントにおいて、各プロセスでどんな点に留意すべきかを見てみましょう。

まず、意思決定のための問題定義において、プロジェクトマネジャー、プロジェクトリーダーが関心を持つべき問題は、プロジェクトに関する問題、製品に関する問題、プロジェクト組織に関する問題の3点です。

そこで、行うべきことは、次の3つの分析です。

・ステークホルダー分析:ステークホルダーを特定し、彼らのニーズ期待を分析
・ファンクショナル分析:選択肢による製品の主要なファンクション・目標を特定
・価値分析:プロジェクト、製品、組織に関して、選択肢による将来的価値を評価

例えば、製品のある機能をつけるのかつけないのか、という意思決定においても、単純にコストが予算内に収まるかどうかだけで決めるのではなく、ステークホルダー、将来的価値などについて検討し、そして多面的に選択肢(案)を特定、評価し、意思決定する必要があるということになります。

◆意思決定の目的を明確化

次に、今回の意思決定は何のために行うのか?という目的を明確にします。
当然のことながら、選択肢は、目的によって、大きく異なります。
例えば、

プロジェクトにおける意思決定は
 ・プロジェクトマネジメント
 ・システム/製品
 ・ライフサイクル
の3つの目的・目標に対して、
 ・コスト
 ・スケジュール
 ・パフォーマンス
の3つの視点から、選択肢を考え、評価をする

のように、プロジェクト全体の方針を決定する場面や、現在のコンフリクトを解消するための意思決定の場面のように、その目的によって、選択肢特定の範囲や選択肢特定の方向性が大きく異なり、また、評価にも影響します。

とんでない決定(ありえへ〜ん!)をしないためにも、目的の明確化を必ず行いましょう。

そして、選択肢におけるリスクについて特定、評価、対策の決定を行い、選択肢から1つを選び(意思決定)、実行します。もちろん、その決定が良かったかどうか(正しかったかどうか)をモニタリングし、軌道修正などを行います。


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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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