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No15. プロジェクトの継承《一般》(2014.04.15)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木道代

前回から、著者が変わり、鈴木が担当しますので、よろしくお願いします。
50回程度の連載の予定なのですが、2年ぶりの連載ですので、前号から、一般のカテゴリーにて再開しています。

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【目的】プロジェクトをシームレスに続行する

【用途】プロジェクト実行中にリーダーが変わる

【効用】チーム育成ができ、プロジェクトチームとして作業ができるようになる

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◆プロジェクトの継承(プロジェクトを引き継ぐ)

前回は、プロジェクトの中止について取り上げました。

PMstyle Kit No14. プロジェクトの中止《一般》

プロジェクトが中止になるのは、突然その事業から撤退する場合、資金が枯渇したために、続行することが不可能な場合や、経営層や上司が異動し、気に入らないなどの理由の外的要因で決定する場合がありますが、内的要因として、このままだと大赤字になるためきっぱりあきらめるとか、新しいプロジェクトとしてやり直すなどの場合もあります。

その多くの場合は、プロジェクトの状況をアセスメントし、スコープ、予算、スケジュールなどの

   ≪目標≫

を再設定し、リカバリを多なうことが多いようです。

リカバリーは、基本的に、リカバリー状態を正常な状態に戻すために期間を決めて行うことであり、通常は、リカバリー期間には、プロジェクトマネジャーは交代し、通常の状態に戻れば(目標が達成できれば)、元のプロジェクトマネジャーに戻る場合もあれば、リカバリー期間のプロジェクトマネジャーがそのまま続行する場合もあります。

とにかく、リカバリー期間は、リカバリーを実施するプロジェクトマネジャーがマネジメントを行うことになりますので、ここで、プロジェクトの継承が発生します。

本号では、プロジェクトの継承において、プロジェクトマネジャーが注意すべきことについて、まとめます。

通常、トラブルプロジェクトでは、リーダー不在なプロジェクトであることが多く、たとえ、有能なプロジェクトマネジャーであっても、突然の怪我、病気や何らかの事情による不在などによって、リーダー不在のプロジェクトになり、トラブル状況になることが多いようです。

その後にプロジェクトのマネジメントを継承することになったプロジェクトマネジャーが行うことは、まず、

 ≪チームメンバーがプロジェクトにエンゲージする≫

事です。今までもロジェクトには参加して作業に従事しているはずなのですが、プロジェクトにチームとして引き込む、ということが大事です。

そのために、フェースツーフェイス(顔を合わせて)、公式なコミュニケーションできちんと時間を使って、各自の役割と責任を責任を確認しあいます。

そして、その場で、プロジェクトマネジャーは、

・トラブルの原因であることが多い変更要求が多発する背景を探る
・課題のマネジメントを行う
・発覚した問題に対して、プロセス改善を必ず行う

ことを確約し、メンバーとの信頼関係を築いていきます。
これらのことを、これまでのプロジェクトでは行っていないはずですので。

そして、次に、行うことは、スポンサーシップの確認とステークホルダーの特定を実施し、プロジェクトへの協力を取りつけます。

この2点は、プロジェクトの立上げ時には必ず行うことなのですが、プロジェクトを継承する場合には、特に気をつけるポイントです。

プロジェクトをより良い状態、リカバリーであれば、本来の状態に戻すためにプロジェクトマネジャーが交代したわけですので、より多くの、よりアクティブな協力を得るためのステークホルダーマネジメントを行うことが重要です。

通常、リカバリーチームには、プロジェクトスポンサー、顧客にチームの中に引き込み、リカバリーの目標に同意してもらうことによって、協力体制を築く方が、早くリカバリー期間が終了することが多いようです。

プロジェクトスポンサーも顧客も、プロジェクトチームと同じく、リカバリー期間が早く終わって欲しいという気持ちは同じはずですので、チームの一員として、動いてもらうように協力を取りつけます。

次に、プロジェクト計画の検証を行い、新しい計画を作成します。
認可されているプロジェクト憲章とスコープ定義(WBS)などをレビューし、適正かどうかを判断し、チームメンバーとともに、ボトムアップで新しい計画、現実的で実用的な計画を作成し、プロジェクトベースラインとして認可を受けます。

チームメンバーと作成することによって、自分たちが作業するための現実的で実用的な計画を作成することができます。

この計画作成プロセスは、プロジェクト作業を一旦、止めて、計画作業に専念できるように、ワークショップで作成します。この計画作成ワークショップは、チームメンバーとの信頼関係の構築、プロジェクトへのエンゲージメントのために大変有効であり、必ず実施すべきであると言われています。

たとえ、以前のプロジェクトマネジャーがメンバーとして残っていても、遠慮することなく、この計画作成作業をファシリテーションすることが、チームの育成には重要なポイントとなっています。

もし、プロジェクト憲章に準じる文書が存在しないのであれば、目的を作ることから、計画作業をスタートします。

なぜならば、使い古されている言葉ですが、プロジェクトは「目的を実現する」ために行っている非定常業務であり、組織横断的なチームで、有期的に行う作業だからです。

これらの計画作成作業によって、チームの育成が進み、(エンゲージした)より優れたメンバーで、プロジェクトを再開することができるはずです。


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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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