第5話 イノベーションの切り口(2013.09.03)
◆イノベーションの切り口
前回、簡単にイノベーションの切り口についてまとめたが、このテーマについて、最近、面白い本が出たので、参考までにその内容を簡単に紹介しておきたい。
書籍の名称は
「TEN TYPE OF INNOVATION - The Decipline of building breakthroughs」
著者は、Larry Keeley、Helen Walters、Ryan Pikkel、Brian Quinnの4名。
この本では、タイトルのとおり、イノベーションのタイプ(切り口)を10個に分けている。まず、カテゴリーを
(1)コンフィギュレーション
(2)オファリング
(3)エクスペリエンス
の3つに分けており、それぞれ、以下のようなタイプのイノベーションが視点があるといっている。
◆コンフィギュレーション
まず、コンフィギュレーションは、会社や会社のビジネスシステムに焦点を当ててイノベーションを行うがこのような対象としては
・収益モデル
・ネットワーク
・構造
・プロセス
の4つがある。
収益モデルのイノベーションは売り方を変えるイノベーションであり、製品販売をサービス販売に変えるイノベーションが代表的である。ネットワークのイノベーションは価値を作るために協力する人を変えるイノベーションで、エコシステムのイノベーションが代表的である。構造のイノベーションは組織や資源(人やもの)の配置を変えるイノベーションである。たとえば、多能工化などがあげられる。プロセスのイノベーションは、業務の方法のイノベーションのある。仕事のやり方を大きく変え、生産性の向上や創造的な仕事をできるようにする。
◆オファリング
オファリングは、会社のコアになっている製品やサービス、あるいはその組み合わせにフォーカスするイノベーションであり、
・製品パフォーマンス
・製品システム
の2つがある。
製品パフォーマンスのイノベーションは、競合とは大きく異なる特徴を持つ、あるいは機能を持つ製品を開発する。製品システムは、複数の製品やサービスを活用したシステムを作り出すイノベーションである。
◆エクスペリエンス
エクスペリエンスでは、会社やビジネスシステムが顧客と接するところのイノベーションである。
・サービス
・チャネル
・ブランド
・エンゲージメント
の4つが考えらえる。
サービスのイノベーションは、製品やサービスの付加価値を高める方法のイノベーションである。チャネルのイノベーションは、製品やサービスを顧客やユーザに届ける方法のイノベーションである。ブランドのイノベーションは、製品や事業の訴求方法のイノベーションである。エンゲージメントのイノベーションは顧客と接し方に対するイノベーションである。
対象はほかの整理もあると思うが、切り口は使い易いと思う。イノベーションに取り組む際にぜひ、きちんと読んでみられることをお奨めする。
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著者紹介
好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。
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