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第4話 イノベーションの要因(2013.08.23)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆イノベーションの要因

前回はイノベーションを起こすために企業のビジネスシステムの中にどのような要素を組み込んでいき、イノベーションをどのようにコントロールするかについて述べた。今回は、実際にイノベーションのネタをどのように探すかについて考える。

イノベーションを起こすために必要な要因には、大きく分けると

・技術
・ビジネスモデル

の2つがある。


◆技術について

まず技術であるが、イノベーションが起こるのは技術が何らかの変化をした場合である。技術の中で一般的にイノベーションだと認識されやすいのは製品技術のイノベーションで、新しい技術によって新しい製品(サービス)が生まれる。製品にこれまでになかったような機能が負荷されることによって従来とは異なる顧客が生まれるといったケースである。

たとえば、携帯用のオーディオに大容量の記憶ができるようにしたことにより、これまで家で据え置きのオーディオを使っていたユーザを新しいセグメントにできたiPodのような例である。

二つ目はプロセス技術である。プロセスはエンドユーザの目に触れることがないため、あまり目立たないが戦略実行への貢献は大きくなることが多く、非常に重要なイノベーションになる。プロセス技術が革新されることによって、これまではできなかった製品やサービスができることもあれば、生産性が大幅に向上したり、品質が大幅に向上したりするからだ。

特にプロセス技術が重要なのはサービスである。例えば、GPS配車が地方都市でも行われるようになってきたが、これによって配車までの時間が画期的に短くなったといった例がある。


◆イネーブリング技術

三つ目は、イネーブリング技術と呼ばれるものである。これは、製品に組み込まれる技術でもないし、プロセスを変革する技術でもない。しかし、その技術によって戦略上の目的が達成できるような技術である。

イネーブリング技術の代表的な例はITである。ITによって業務のスピードアップを図り、競争力に変えていくといったことが行われている。いわゆるITイノベーションである。

イネーブリング技術は意思決定のスピードや財務改善に寄与するので、多くの企業では戦略上、極めて重要である。


◆ビジネスモデルイノベーション

さて、それではビジネスモデルのイノベーションはどのような形で起こるのだろうか。

一つ目はバリュープロポジションである。バリュープロポジションを変えることによって、新しい価値を提供していくようなイノベーションである。たとえば、アマゾンはインターネット通販に対して、プラットホームを提供するという従来にはないサービスを提供することによって、バーチャルなショッピングモールというイノベーションを起こした。

二つ目はサプライチェーン。実際には、バリューチェーンの中で、提携先、取引方法などを変えていくことによってサプライチェーンを変えていく。サプライチェーンからのイノベーションといえばトヨタの看板方式が代表的であるが、たとえば、パソコンにおけるBTOもそうだ。

一般にはサプライチェーンのイノベーションは影響は大きいが、顧客(ユーザからは見えにくい)。この中で顧客から見えるサプライチェーンのイノベーションには、スマートフォンのアプリを別に購入するというシステムを上げることができる。今後、顧客から見えるサプライチェーンのイノベーションというのは増えてくるだろう。

もう一つはターゲット顧客を変えることによるイノベーションである。たとえば、映像の世界では、プロフェッショナル仕様の製品がコンシューマ向けになっているが、こんなケースである。


◆イノベーションの切り口を見つける

イノベーションを起こすにはこのような要因が必要になる。

戦略実行のイノベーションのアイデア出しをする段階で、どんな要因に切り口を求めるかはあらかじめ決めておいた方がよいだろう。

ただし、上に述べた例は、複数要因が入り、相関がある。その意味で、入り口を決めるだけであって、アイデア出し自体は要因にしばられずに考えていくことが重要である。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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