本文へスキップ

ITイノベーションが起こせない原因は、「コンセプト」が作れないことであり、コンセプトとは、「自分が実現したいことの包括的イメージ」

第107回 ITイノベーションの起こし方(2016.12.16)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人

◆コンセプトなくしてITイノベーションなし

日本企業でイノベーションが起こりにくいという中で、特に気になるのはITイノベーションが起こらないことだ。ITイノベーションが起こせない原因は明確であり、「コンセプト」が作れないことだ。

コンセプトが作れないという問題は古くから言われている問題である。一方で、日本企業はモノ作りの能力にたけているので、コンセプトはなくてもよい製品やサービスが提供できるといわれてきた。しかし、ここにきて、コンセプトとイノベーションが密接に関係してくる局面を迎え、コンセプトなしにイノベーションができない状況になっている。

この傾向はこれからますます強くなるだろう。


◆コンセプトとは

ということで、まずはコンセプトとは何かを明確にしておこう。コンセプトについての説明というのは人によって違うし、さまざまであるが、一般的に定義すると

「自分が実現したいことの包括的イメージ」

だということだ。

このようにコンセプトを定義したときに、コンセプトとして何を満たさないとならないかについて考えてみると以下のような要素があることが分かる。

・既成概念を壊す
・新しい視点で価値観を作る
・全体を貫く骨格となる考え方とする
・活動のすべての指針とする

要するに、新しいアイデアで、アイデアで成しうることの全体を表すのがコンセプトである。


◆ITイノベーションにコンセプトが必要な理由

では、なぜITイノベーションにはコンセプトが必要なのだろうか。それは、ITイノベーションを実現するのがシステムだからである。ここでいうシステムは必ずしも情報システムとは限らない。もう少し広い意味のシステムである。

システムを作るには要素の組み合わせが必要になる。組み合せは情報システムやハードウエアだけではできない。いわゆる仕組みやビジネスモデルと言われる目に見えない組み合せが必要である。ITイノベーションをうまくできないのはこの組み合わせを考えることができないからだ。

この目に見えない組み合わせを考える(定義する)のがコンセプトである。


◆コンセプトの作り方

こういった難しさを打ち破り、コンセプトは作らなくてはならない。コンセプトを作る方法もさまざまな方法がある。PMstyleでは以下のようなコンセプトの作成手順を決めている。

(1)現状認識
(2)価値創造
(3)言語化
(4)共感を得る

詳しくは、PMスタイル考にコンセプトの作成手順を説明した記事があるのでそちらを参照してほしい。

【PMスタイル考】第119話:コンセプトを作る

コンセプトを作ることができると、見えない組み合わせをできるようになってITイノベーションもうまくできるようになるだろう。

◆関連するセミナーを開催します

━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
 ◆コンセプチュアル思考によるコンセプト力講座 ◆7PDU's
  日時・場所:【Zoom】2024年 12月 03日(火)9:30-17:30(9:20入室可)
     【Zoomハーフ】2025年 02月 01日(土)13:00-17:00+3時間
     【Zoomナイト】2025年 03月 05日(水),07日(金)19:00-21:00+3時間
        ※Zoomによるオンライン開催です
        ※ナイトセミナーは、2日間です
        ※ハーフセミナー、ナイトセミナーは、事前学習が3時間あります。
        ※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
  講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/concept.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
 ※Youtube関連動画「コンセプチュアルスキルとは(前半)」「コンセプチュアルスキルで行動が変わる
   「コンセプチュアルなコンセプト創り
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
  【カリキュラム】                          
   1.コンセプトとは何か〜コンセプチュアルスキルの観点から
   2.本質とコンセプト
   3.よいコンセプトの作り方
   4.コンセプトをビジネスモデルとして具体化する
   5.コンセプト立案ワークショップ(内容はお問い合わせください)
   6.ストーリーでコンセプトを伝える
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「コンセプチュアル・マネジメント(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

メルマガ紹介

本連載は、コンセプチュアル・マネジメント購読にて、最新の記事を読むことができます。

コンサルティングメニュー紹介

PMOコンサルティング、PMOアウトソーシングサービス、人材マネジメントサービスなど、御社に最適のコンサルティングをご提案させていただきます。まずは、お問合せください。

Youtube始めました。チャンネル登録お願いします。PMstylebiz


書籍&チケットプレゼントはこちらから

お薦めする書籍

メルマガ購読

ブログ

公開セミナー(カテゴリー別)
日付順  カレンダー

お客様の声(掲載をご許可いただいた受講者の方のアンケート結果)

PMコンピテンシーとは

サイト内検索

Facebook

Facebook