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マイクロソフトのPM情報ツール Project を使って、プロジェクトをうまくマネジメントしていく方法を解説し、その解説を通じて、MS Project の利用方法の解説します。第7回は、3つの主要文書です

第7回 PMの基本!充実したテンプレートの作成 その7(2007.07.20)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

テンプレートに設定する項目及び標準スケジュールの作成方法について解説してきたので、これで、テンプレートとしてはほぼ完成です。

今回は、「PMの基本!充実したテンプレートの作成 その1」で紹介した、PMBOK(R)のテンプレートをMicrosoft Office Project(本文ではMS Projectと呼ぶ)に添付し、MS ProjectファイルからWordやExcelで作成したPMBOK(R)テンプレートファイルへ簡単にアクセスできる方法のご紹介をします。

また、PMBOK(R)テンプレートからは、3つの主要文書である「プロジェクト憲章」、「プロジェクトマネジメント計画書」、「スコープ記述書」の構成内容についてお話しします。
この内容は、私が主査を務める、PMI日本支部 PMBOK委員会 実用化ワーキング・グループで作成したテンプレートを紹介するセミナーより抜粋してお話しします。

■ファイルの添付
MS Projectに他のアプリケーションで作成したファイルを添付することで、タスクに関連するファイルを素早く参照することができます。

MS Projectにファイルを添付する方法は以下の2通りあります。

●メモに添付する
@ メモにファイルを添付するタスクを選択します。
A 標準設定ツールバーの([タスクメモ]ボタン)をクリックするか、または、選択したタスクをダブルクリックして表示される[タスク情報ダイアログボックスの[メモ]タブをクリックします。
B ファイルを挿入する場所にカーソルを移動します。
C [メモ]タブの([オブジェクトの挿入]ボタン)をクリックします。

       

D [オブジェクトの挿入]ダイアログボックスで[ファイルから]を選択します。
E [参照]ボタンをクリックして表示される[参照]ダイアログボックスで挿入するファイルを選択し、[挿入]ボタンをクリックします。
F [オブジェクトの挿入]ダイアログボックスの[リンク]チェックボックスをオンにすると、挿入ファイルはリンクの設定になり、オフにすると、挿入ファイルは埋め込みになります。
G [アイコンで表示]チェックボックスをオンにすると、挿入されたファイルは[メモ]にアイコンで表示されるようになります。
H [OK]ボタンをクリックします。

   

以下のようにメモにファイルのアイコンが表示されるので、そのアイコンをクリックすると、指定したファイルが開きます。

  

●ハイパーリンクを設定する
この操作では、ファイルだけでなくURLも添付することができます。

@ ハイパーリンクを設定するタスクを選択します。
A [標準]ツールバーの([ハイパーリンクの挿入]ボタン)をクリックします。
B [ハイパーリンクの挿入]ダイアログボックスの[表示文字列]ボックスに、ハイパーリンク先の内容を示す文字列を入力します。
C [アドレス]ボックスに、ファイル(またはフォルダ)へのパスあるいはURLを入力します。
D [OK]ボタンをクリックします。

     

以下のように[状況説明マーク]列にハイパーリンクのアイコンが表示されるので、それをクリックすると、指定したファイル、フォルダ、URLにアクセスすることができます。

      

■3つの主要文書

PMBOK(R)には3つの主要な文書として「プロジェクト憲章」、「スコープ記述書」、「プロジェクトマネジメント計画書」があります。
これらの文書もテンプレート化することによって、標準化や効率化を実現することができます。

私が主査を務めるPMI東京支部 PMBOK委員会 実用化ワーキング・グループでは、PMBOKを実務に適用する際に有効なテンプレートを作成しておりますが、昨年、3大文書をはじめとする20のテンプレートを作成し、去年のPMI東京フォーラムにて発表後、PMI東京のサイトにて無料公開しています。
実用化ワーキング・グループでは、それらのテンプレートを幅広く活用して頂きたく、紹介セミナーを行っておりますが、ここでは、それらのうち3つの主要文書について、PMBOK(R)テンプレート紹介セミナーから抜粋してお話しします。
3つの主要文書をテンプレート化するにあたっての参考にして下さい。

●3つの文書の作成方針
PMBOK(R)では、3つの文書の項目が書かれてはいますが、これらを見ても、いざ文書を作成しようとすると、色々悩まれると思います。
実用化ワーキング・グループでは、PMBOK(R)にある項目について、問題点が2点あると考えました。
一つ目は項目が重複していること、二つ目は論理的な順序になっていないことです。
項目が重複していると、どの文書を参照したらよいのか迷ってしまいますし、変更が発生した場合も、どの文書を変更したらよいのか?という問題になります。

そこで、これらを解決するために、それぞれの文書をどのような方針で作成するのかを決めました。
その作成方針とは、
          
を記述することにしました。
この方針で項目を絞り込み、論理的に順序を整えた結果、それぞれの文書には以下のような内容を記述することにしました。

●プロジェクト憲章の目次
1. プロジェクト概要 
2. プロジェクトの背景
3. プロジェクトの目的と妥当性
4. プロジェクト要求事項
5. プロジェクト環境
6. プロジェクト・スケジュール
7. プロジェクト資源
8. プロジェクトマネジメント基本方針(オプション)

●スコープ記述書の目次
1. プロジェクト成果物スコープ 
2. プロジェクト作業スコープ
3. 除外事項
4. 成果物受け入れ基準
5. 前提条件
6. 制約条件

●プロジェクトマネジメント計画書の目次
1. プロジェクトマネジメント方針
2. プロジェクト目標とパフォーマンス測定ベースライン
3. プロジェクトマネジメント計画
4. プロジェクト実行の指揮・マネジメント
5. プロジェクト作業の監視コントロール
6. 統合変更管理
7. プロジェクト終結

プロジェクトマネジメント計画書には、各知識エアごとのマネジメント計画書を補助の計画書として添付しています。
補助の計画書も「How?」を記述するということで、各知識エリアごとにどのようにそれらの要素をマネジメントするのかを記述しました。これは、本プロジェクトでは、どのようなインプットを基に、どのようなツールと技法を使って、どのようなアウトプットを作成するのかという各知識エリアのプロセスの要領を具体的に記述しました。
例えば、スコープ・マネジメント計画書なら、以下のような目次になります。

1. スコープ・マネジメント方針
2. スコープ定義
3. WBS作成
4. スコープ検証
5. スコープ・コントロール

更に、プロジェクトマネジメント計画書には、他の構成要素として、全てのアウトプットを集約し、添付する形にしています。
現在公開しているテンプレートとしては、以下のような他構成要素があります。
    

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※Youtube関連動画 プロジェクトマネジメント基礎(1) プロジェクトマネジメント基礎(2)
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  【カリキュラム】                     
 1.プロジェクト計画書作成プロセス
 2.プロジェクト計画をデザインする
 3.プロジェクト計画の骨組みを決める
 4.プロジェクト活動計画書の書き方
 5.予算計画書の書き方
 6.リスク計画書の書き方
 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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