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マイクロソフトのPM情報ツール Project を使って、プロジェクトをうまくマネジメントしていく方法を解説し、その解説を通じて、MS Project の利用方法の解説します。第1回は、標準化に必須のテンプレートの作成です

第1回 PMの基本!充実したテンプレートの作成 その1(2006.12.22)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

Microsoft Office Project(本文では略してMS Projectと呼ぶ) を使用してプロジェクトマネジメントを行う上では、テンプレートは必須です。

このことは、皆さんもよくご存知であると思いますし、実際にテンプレートを作成して活用されていることと思います。

さて、皆さんのテンプレートのできは如何でしょうか?

まずは、3回ぐらいの連載で、充実したテンプレートの作成方法についてお話させて頂きたいと思います。

今後のテンプレート作成の参考にして下さい。

■OPM3(Organization Project Management Maturity Model)

PMI(Project Management Institute:プロジェクトマネジメント協会)では、企業のプロジェクトマネジメント成熟度を下図のように分類しています。

      

まず、企業内におけるプロジェクトマネジメントは以下の3段階あります。

●プロジェクトマネジメント・・・・・単一のプロジェクトを成功に導くために行なう。
●プログラムマネジメント・・・・・・関連するプロジェクトの集合であるプログラムを、プロジェクト単体では実現できない企業戦略を実現するために行なう。
●ポートフォリオマネジメント・・・企業内のプロジェクト、プログラム、定常業務の全体最適化を行ない、企業収益増大や企業価値向上を実現するために行なう。



上記3段階のマネジメントは、以下の4ステップによって成熟度が向上します。

●標準化・マネジメントプロセスが標準化されており、マネジメントの質が一定に保たれている。
●測定・・実績測定が行なわれている。
●コントロール・単に実行するだけではなく、状況に応じた最善の対応策を実行し、目的や目標を達成できている。
●継続的改善・・実行によって得た教訓、トラブルの原因、選択した是正策とその理由などが、今後のマネジメントに生かされている。

従って、OPM3のスタートは、「プロジェクトマネジメント」を「標準化」することになります。単一のプロジェクトのマネジメント手法は、PMBOK(R)に体系化されているわけですから、まずは、PMBOK(R)を参考図書として、企業にとって最適なプロジェクトマネジメントのプロセスを標準化することになります。

■標準化に必須のテンプレートの作成

プロセスを標準化する際に欠かせないのがテンプレートです。
PMBOK(R)のプロセスに従って社内のプロジェクトマネジメント・プロセスを標準化すると、基本的なテンプレートとしては、以下のようなテンプレートを作成する必要があります。

  

尚、9つの知識エリアのうち、調達マネジメントは、企業において調達プロセスは確立されていることがほとんどなので、割愛しました。

上記は、どのプロセスで、どのようなテンプレートが必要かをまとめたものですが、文書の構成としては、以下のようになります。

     

PMBOK(R)には主要な3つの文書として、「プロジェクト憲章」、「スコープ記述書」、「プロジェクトマネジメント計画書」があります。

「プロジェクトマネジメント計画書」は、各知識エリアのマネジメント計画書が補助の計画書として、また、WBSをはじめとする各プロセスのアウトプットがその他構成要素として含まれます。

教訓管理表をはじめとする文書は、組織のプロセス資産として蓄積される文書のテンプレートになります。

ここで、上記テンプレートを作成する際、是非ともご活用頂きたいテンプレートをご紹介します。

私岡野が幹事を行っております、PMI東京支部 PMBOK委員会 PMBOK実用化ワーキング・グループでは、昨年より、PMBOK(R)の理論を実務に適用する際に有効なノウハウを収集・分析し、それを具体的な形にしたテンプレートを作成してきました。

本年11月に開催されたPMI東京フォーラムにて、私がそのテンプレートの紹介を行いましたが、大変好評頂きました。

実際の公開は、2007年1月から公開され、利用規約に承諾頂ければ、無料でダウンロードしてご使用頂けます。但し、現時点では、PMI東京支部の会員様のみの限定で公開させて頂いておりますことご了承下さいませ。

ダウンロードの方法は、PMI東京支部の会員の広場にアクセスいただき、IDとパスワードを入力し、左メニューから「テンプレート」をクリックすると、テンプレートのダウンロードのページになります。

日本ではまだ公開されているテンプレートは数少ないので、是非ともこれらのテンプレートを広くご活用下さい。

また、更に改善するためのご意見を収集したいと思っておりますので、使用された方は、PMフォーラムに意見を頂戴する場を設けておりますので、どしどしご意見宜しくお願い致します!

PMフォーラムへのアクセスも、上記同様、会員の広場へログイン下さい。

■MS ProjectでPMBOK(R)プロセスとテンプレートを一元管理

さて、上記のテンプレートをひとつのフォルダに保存して共有サーバーにアップすれば、関係者が随時活用することができるようになります。

それをもう一歩進んで、プロジェクトマネジメント・プロセスに対応した形で参照できるようにしておけば、必要文書に簡単にアクセスできるようになります。

この時、活躍するのが、MS Projectです。

MS Projectで、プロジェクトマネジメント・プロセスの標準的な手順をスケジュール化し、それぞれのプロセスの詳細情報をメモに入力し、各プロセスのテンプレートへアクセスできるようにしておけば、標準的なプロジェクトマネジメント・プロセスとそれに対応したテンプレートを一元管理することができます。

では、次回は、その具体的な作成方法についてお話します。

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※Youtube関連動画 プロジェクトマネジメント基礎(1) プロジェクトマネジメント基礎(2)
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 2.プロジェクト計画をデザインする
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 4.プロジェクト活動計画書の書き方
 5.予算計画書の書き方
 6.リスク計画書の書き方
 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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