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第19回 PMBOK(R)テンプレートの作成 その5(2008.08.15)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

今回のPMBOK(R)テンプレートの紹介は、プロジェクトマネジメント計画書に添付される各知識エリア毎のマネジメント計画書をご紹介したいと思います

尚、ご紹介するテンプレートは、私が主査を行っております、PMI日本支部 PMBOK委員会 実用化ワーキング・グループで作成したもので、現在、PMI日本支部会員であれば、PMI日本支部のホームページより無料でダウンロードすることができます。

事前にダウンロードしてから解説を読んで頂くと、より分かりやすいと思います。

■各知識エリア毎のマネジメント計画書とは
PMBOK(R)では、プロジェクト憲章が発行され、プロジェクト・スコープ記述書暫定版を作成したら、プロジェクトマネジャーは、プロジェクトマネジメント計画書を作成し、プロジェクトをどのようにマネジメントするのかを決定します。
次に、各知識エリアには、一番最初に「○○計画」というプロセスがあるので、そこで、各知識エリア毎の「○○マネジメント計画書」を作成します。
作成された「○○マネジメント計画書」に従い、各知識エリアのプロセスが実行され、様々なアウトプットが作成されます。

但し、タイムとコストには「○○計画」というプロセスがありませんが、タイムとコストについてもプロセスを実行する前に、スケジュール・マネジメント計画書とコスト・マネジメント計画書を作成しなければならない旨がPMBOK(R)には記述されています。
この2つのマネジメント計画書はどのプロセスで作成するのかというと、統合マネジメントの「プロジェクトマネジメント計画書作成」のプロセスで作成すると記述されています。
 

各知識エリアのマネジメント計画書は、プロジェクトマネジメント計画書の補助の計画書としてプロジェクトマネジメント計画書に添付されます。
各知識エリアのアウトプットも他の構成要素としてプロジェクトマネジメント計画書に添付されます。

尚、今回のテンプレートでは、調達マネジメント計画書は作成していません。
調達については各会社で調達方法が確立されているだろうという前提であえて作成しませんでした。

【今回のプロジェクトマネジメント計画書のテンプレートの構成】
 
今回ご紹介するテンプレートでは、プロジェクトマネジメント計画書はHowを作成するということで、PMBOK(R)の統合マネジメントのプロセスの要領を具体的に記述することにしました。
従って、各知識エリア毎のマネジメント計画書も各知識エリア毎のプロセスの要領を具体的に記述しました。

■スコープ・マネジメント計画書
スコープの一番最初のプロセスは、スコープ計画で、スコープ・マネジメント計画書を作成し、スコープをどのようにマネジメントするのかを決定します。

PMBOK(R)には、スコープ・マネジメント計画書には以下のような内容を記述するよう示されています。

『スコープ・マネジメント計画書は計画策定のツールであり、プロジェクト・スコープの定義、詳細なプロジェクト・スコープ記述書の作成、WBSの定義と作成、プロジェクト・スコープの検証、プロジェクト・スコープのコントロールなどをチームがどのように行うかを記述した文書である。』

つまり、スコープ・マネジメントのプロセスは、「スコープ定義」、「WBS作成」、「スコープ検証」、「スコープ・コントロール」なので、それぞれのプロセスを具体的に誰がどのように実行するのかという要領を記述すればよいわけです。
    

■スコープ・マネジメント方針
まずは、スコープ・マネジメントに関する当プロジェクトの特徴を記述します。


■スコープ定義
スコープ定義では、詳細なプロジェクト・スコープ記述書を作成するプロセスなので、プロジェクト・スコープ記述書の作成要領を記述します。


■WBS作成
次にWBS作成のプロセスの要領を記述します。
WBSをどのように作成するのか、ステークホルダーの分析方法、WBSの維持と承認方法について具体的に記述します。



スコープ検証
スコープ検証では、完成したプロジェクトの要素成果物の公式な検証と受入方法を具体的に記述します。


■スコープ・コントロール
最後にスコープ・コントロールの方法について記述します。
スコープ・コントロールでは、差異分析の方法、是正処置の提案方法、変更管理方法、組織のプロセス資産の更新方法について具体的に記述します。

尚、今回のテンプレートでは、是正処置の提案方法、変更管理の方法、組織のプロセス資産の更新方法については、プロジェクトマネジメント計画書に詳細を記述していいるので、それに従って実行します。


次回も引き続き補助の計画書のテンプレートを紹介しますが、次回は、スケジュール・マネジメント計画書をご紹介します。

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 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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