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第34話:抽象度を変えてビジネスの問題解決を行う(2017.04.25)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆コンセプチュアルスキルはなぜ定着しないのか

コンセプチュアルスキルの概念の最も基本は抽象度を変えることによって、物の見方を変え、(マネジメント)行動を変えることです。

コンセプチュアルスキルが提唱されたのは1950年前後で、まだマネジメントという概念がない時代です。この時代に個々の具体的な問題への対応だけではなく、個々の問題を組織全体としてみた(抽象化した)ときにどのように見えるかを考えたというのは画期的なことでしたが、マネジャーにとっては理解しにくいことだったと思われます。

前回述べましたように、今ではコンセプチュアルスキルはマネジメント以外でも、ビジネスやイノベーションなど様々な分野で必要になってきており、それらの活動に関わる人の必須スキルになっていますが、なかなか定着しないのはやはり概念としての難しさにあるといえるでしょう。

もっともなぜ難しいかと考えたときに、概念的であるので難しく、コンセプチュアルスキルがないとなかなかスキルとして習得しにくいというややこしい構造に難しさの本質があります。この構造を乗り越えてスキルを身につける突破口になるのが抽象度を変えて問題解決を行うことだと思われます。

ということで、今回はビジネスにおけるコンセプチュアルな問題解決について考えてみます。


◆抽象度を変え、視座を変える

まず、15年くらい前に時代を遡り、こんな問題を考えてみましょう。あなたが開発の責任者である携帯電話X(1機種)をもっと売りたいと思っています。ただ、これまでの経験で行ったことは一通りやっていますが、あまり芳しくありません。

こういうときには、抽象度を変えてみると視座が変わり、良いアイデアが生まれることがあります。

抽象度を変化させるには、上げたい場合と下げたい場合があります。抽象化と具象化です。

◆問題の抽象度を上げる

抽象度を上げたい場合によく使われる方法はWHYを繰り返すことです。例えば、

・なぜ、携帯電話Aを売りたいのか
 →携帯電話全体をもっとたくさん売りたいから

・なぜ、携帯電話全体をもっとたくさん売りたいのか
 →事業部の売り上げを伸ばしたいから

・なぜ、事業部の売り上げを伸ばしたいのか
 →事業を成長させたいから

・なぜ、事業を成長させたいのか
 →生活を便利にする商品を世の中に出したいから

・・・

といった具合です。


◆異なる視座の問題を考える

このように抽象度を上げて問題の視座を変えると、携帯電話Aを売る以外の解決方法が見えてきます。

たとえば、事業を成長させたいなら携帯電話A自体の販売に力を入れるより、携帯電話Aで動く魅力的なアプリケーションを開発し、投入することによって、事業に新しいアプリケーションという柱を作ることも考えられます。

あるいは、もっと抽象度を上げ、生活を便利にする商品を世の中に出すにはどうすればよいかという問題として考えるとスマートフォンというアイデアが出てくるでしょう。

このように抽象度を上げて違った視点(視座)か戦略を考えることができることは、コンセプチュアルスキルが、マネジメントだけではなく、ビジネスにおいて必要になってきている証だといえます。

ただし、これを読んでこれは役割分担が違うと感じられた方も少なくないと思います。確かに事業の戦略を考えるのは製品の開発責任者の役割ではないとも言えますが、本来、製品開発の責任者は、事業上の意義を設計するとともに、事業の改善に対する提案をすべきです。そう考えると、やはり、開発リーダーレベルでも、コンセプチュアルスキルは重要と考えるべきでしょう。


◆問題を具体化する

ちょっと話が飛びましたが、では、もう一度、抽象度を変える話に戻りますと、抽象度を下げたい場合もあります。例えば具体的な行動に移したい場合です。マネジメントにおいてはもちろんですが、ビジネスにおいても重要です。

この場合、携帯電話Aをもっとたくさん売るにはどうすればよいかを、課題を具体化して考えてみます。例えば

・量販店で売るにはどうすればよいか
・できるだけ多くの人に魅力を知ってもらうにはどうすればよいか
・どういうアプリケーションを訴求すればよいか
・・・

という風に考えてみれば、行き詰りを打開するようなアイデアが生まれてくるかもしれなせん。

具象化は抽象化より慣れている人が多く、こういう発想をしている人も多いようですが、具体化もコンセプチュアルスキルのレベルで変わってきます。


◆コンセプチュアルスキルのレベルで成果が変わる

このように、マネジャーだけではなく、ビジネスリーダー、あるいは担当者においてもコンセプチュアルスキルのレベルで発想が変わり、得られる成果も変わってくることをお分かりいただけると思います。

特に、ドラッカー博士の提唱したナレッジワーカーにおいては不可欠だといっても過言ではありません。これはイノベーションを起こすためにも不可欠です。


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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