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第30回 コミュニケーション・マネジメント計画書(2)(2010.06.18)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


◆コミュニケーション・マネジメント計画書(2)

前回は、コミュニケーション知識エリアのコミュニケーション計画プロセスについて書きました。つまり、プロジェクトマネジメントとして、コミュニケーションをマネジメントする計画はコミュニケーション・マネジメント計画書に尽きるということです。

そして、そのコミュニケーション・マネジメント計画書には、次の事柄などを記載します。

・コミュニケーションに関するステークホルダーの要求事項
・伝達すべき情報
・情報配布のタイミングと頻度
・情報伝達の責任者
・情報を受信する人やグループ
・情報伝達の手段や技術(会議、電子メール、グループウェアなど)
・コミュニケーション・マネジメント計画書の更新方法

また、第4版PMBOK(R)では、新しくコミュニケーション知識エリアの立上げプロセスに『ステークホルダー特定』が加わっています。

立上げ段階、プロジェクト憲章作成と同時期にステークホルダーはプロジェクトの何に対して関心があるか、を把握し、その後のプロジェクト計画やプロジェクト実行に反映させることによって、プロジェクトの成功率が当然のことながら上がるからです。

そして、ステークホルダーの関心事についてどのように伝えるかをコミュニケーション・マネジメント計画書にて計画し、そして実行していくわけです。

ステークホルダーは一般的に、プロジェクトマネジメントに次のことを求めます。

・アカウンタビリティ
・情報の共有
・明確な計画(レスポンシビリティ)
・コンティンジェンシー計画
・明確なコミュニケーションルール
・明確なマネジメントルール
・成果物の評価方法

これらの中で、何が最も関心事か、そして、それらをどのタイミングでどのように伝
えるればステークホルダーは満足するのか、また、伝えるのではなく、訊くことが顧
客満足につながるのかなどをステークホルダー分析にて、チーム内で分析し、コミュ
ニケーション・マネジメント計画として策定します。

また、一方では、プロジェクトの目的から必ず求めらるコミュニケーションも存在します。

例えば、作業効率を向上させ、納期を前倒しすることを目指したプロジェクトの場合、作業効率を向上させるために、チームパフォーマンスを上げることはプロジェクトに対するニーズとなります。

そうすると、これらに関するコミュニケーションを計画する必要が出てきます。

このように、ステークホルダーからスタートするにせよ、プロジェクトに対するニーズからスタートするにせよ、コミュニケーション・マネジメント計画書は、プロジェクトの計画書として欠かせないものと言えるでしょう。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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