◆関係性マネジメント
「P2M(プロジェクト&プログラムマネジメント)早わかり」の16回目です。
が、ずいぶん、あいだがあいてしまいました。
前回まで、プログラムマネジメントについて書いていましたが、ここのところ、ステークホルダーマネジメントについて、コラムを書いていますが、じゃあ、P2Mではどうなの?ってことで、今回は、P2Mのステークホルダーマネジメントである関係性マネジメントです。
P2M標準ガイドブックでは、
「関係性マネジメントとは、プロジェクトに関与するステークホルダー間の関係のあり方を定めて、良好な状態に維持し、プロジェクトを成功に導く一連の業務プロセスのことである。」
と書いています。そして、その業務プロセスは、関係性の「設計」「構築・維持」「再構築」と定義しています。
「設計」とは、
ステークホルダーがどういう位置づけでプロジェクトに関わるかを定めること
「構築・維持」とは、
関係性設計で定められた関係性のもとで、ステークホルダーとの良好な状態を構築・維持すること
「再構築」とは、
プロジェクト完了後、定められていた関係性を別プロジェクトなどのためにに再構築し、企業の付加価値を高めていくこと
関係性マネジメントにおいては、次の5つの実践指針があります。
(1)経済・社会・環境という側面に配慮して、関係性を把握する
ステークホルダーの特定、分析においては、経済的な利害だけにとらわれない
(2)事前に契約で合意する
後日、軋轢のもととなる事象については事前に合意しておく
(3)顧客を含む幅広いステークホルダー満足の視点を常に意識する
軋轢の発生の予兆を察知して事前に摘み取るために、常に顧客の視点で顧客と接する
(4)問題が発生したら、対応は迅速に、経過・結果を確認し、文書にて保存する
後日の問題の拡大や蒸し返しを防ぎ、事象の影響を最小限にとどめる
(5)環境変化に応じて関係性を再構築する
企業としての付加価値を高めていく
PMBOK(R)に比べて、P2M標準ガイドブックには、詳しい説明があります。
そこで、次回から、関係性マネジメントについて、もう少し、詳しく書いていきます。
◆ステークホルダーマネジメントのセミナーを開催します。
━【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
◆ステークホルダーマネジメント~良好な人間関係を築きプロジェクトを成功させる◆7PDU's
日時・場所:【ZOOM】2021年 04月 20日(火)〜21日(水)
13:30-17:00(13:20入室可)
※ZOOMによるオンライン開催です。2日間に分割して開催します
※少人数、双方向にて、ディスカッション、ロールプレイを行います
講師:鈴木道代(株式会社プロジェクトマネジメントオフィス,PMP,PMS)
詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/stake20.htm
主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
※Youtube動画「ステークホルダーマネジメント」
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
【カリキュラム】
1.ステークホルダーマネジメントとは何か
2.ステークホルダー分析の手法
3.ステークホルダーの期待をマネジメントする
4.ステークホルダーのプロジェクトへの協力を得る
5.ステークホルダーと交渉する
6.ステークホルダーエンゲージメントを計画する
7.ケース
・顧客とのよい関係を作る
・上位組織を動かす
・チームを結束させる
8.ステークホルダーマネジメントの難しさ
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。
本連載は、PM養成マガジン購読にて、最新記事を読むことができます。