マイクロソフトのＰＭ情報ツール　Project を使って、プロジェクトをうまくマネジメントしていく方法を解説し、その解説を通じて、MS Project の利用方法の解説します。第２１回は、コスト・マネジメント計画書、品質マネジメント計画書です

第２１回　PMBOK（Ｒ）テンプレートの作成　その７（2008.10.17）

アイ･ツー･マネジメント 代表取締役 岡野 智加

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コスト・マネジメント計画書とは、プロジェクトのコストをどのようにマネジメントするのかを記述した文書になります。
今回のテンプレートの作成趣旨としては、Howを記述する、つまり、コスト・マネジメントのプロセス（「アクティビティコスト見積もり」、「コストの予算化」、「コスト・コントロール」）を具体的にどのように実行するのかを記述しました。

他の知識エリアは、計画のプロセスの一番最初は「○○計画」というプロセスで、○○マネジメント計画書を作成しますが、コスト・マネジメントには「○○計画」というプロセスはありません。
しかしながら、PMBOK(R)には、以下のように記述されています。

『プロジェクト・コスト・マネジメントの3つのプロセスの実行前に、プロジェクトマネジメント・チームが実行する計画作業があるが、本章ではそれを個別のプロセスとして示していない。
その計画作業は、プロジェクトマネジメント計画書作成プロセスの一部として、コスト・マネジメント計画書を作成するものである。
コスト・マネジメント計画書は、必要な書式を定め、プロジェクト・コストの計画、組織化、見積もり、予算化、コントロールするための基準を設定する。』
（PMBOK(R) P158　4段落目より抜粋）

つまり、「コスト計画」などのプロセスはないが、他の知識エリア同様、コスト・マネジメントの3つのプロセスを実行する前に、コスト・マネジメント計画書を作成しなければなりません。
尚、PMBOK(R)には、コスト・マネジメント計画書を作成するプロセスは、「プロジェクトマネジメント計画書作成」のプロセスで行うと記述されています。
　　　　　　　

最初はマネジメント方針を記述します。
コスト・マネジメントに関する当プロジェクトの特徴やプロセスを記述しました。

WBSの最下位の要素であるワークパッケージを創出するために必要な実際の作業であるアクティビティのコストを見積もる要領を記述しました。

コスト・ベースライン（時系列における累積コスト）を作成したり承認したリする要領を記述しました。

コスト・コントロールの手順を記述しました。

まず最初は品質のマネジメント方針として、品質マネジメントに関する当プロジェクトの特徴や当プロジェクトにおける品質マネジメントの目的を記述しました。

品質計画とは、どの品質規格がそのプロジェクトに関連するかを特定し、どのようにそれを満足させるかを決定するプロセスです。
今回の品質マネジメント計画書には、品質マネジメントチームの役割、組織体制、権限、責任及び品質尺度と品質ベースラインについて記述しました。

品質保証のプロセスでは、プロジェクトが要求事項を満足させるために必要な全てのプロセスを確実に用いるように計画的・体系的な品質活動を行います。
今回の品質マネジメント計画書には、品質保証の方法、品質監査実施にポイント、品質監査結果のフィードバックについて記述しました。

品質をどのように監視コントロールするのかを記述しました。


次回も引き続き補助の計画書のテンプレートを紹介しますが、次回は、要員マネジメント計画書とコミュニケーション・マネジメント計画書をご紹介します。

◆プロジェクト計画書作成のセミナーを開催します

• 一覧
• 第２０回　PMBOK（Ｒ）テンプレートの作成　その６（2008.09.19）
• 第２２回　PMBOK（Ｒ）テンプレートの作成　その８（2008.11.21）

著者紹介

岡野 智加　　　　アイ･ツー･マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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