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第8回 リソースマネジメント その1(2007.08.17)

アイ・ツー・マネジメント 代表取締役 岡野 智加

プロジェクト・マネジメントにおいて、リソースをどのようにマネジメントするのかと言うことは非常に重要です。従って、ツールとしてMicrosoft Office Project(以下MS Projectという)を使用する場合も、MS Projectでどのようにリソースを管理するのかということが重要になります。

今回は、PMBOK(R)の人的資源マネジメントを中心に、それをMS Projectでどのようにマネジメントするのかについてお話しします。

■アクティビティ資源見積もり
PMBOK(R)では、タイム・マネジメントに、アクティビティ資源見積もりのプロセスがあり、このプロセスで、各アクティビティに必要な資源を見積もります。

このプロセスでは、以下のような情報をインプットとします。
  

上記のインプットを元に、以下のようなツールと技法を使用して資源を見積もります。
  

上記のインプットを元に、上記のようなツールと技法を使用して、以下のような情報をアウトプットします。
  

上記のプロセスをMS Projectで行う一つの例をご紹介します。

テンプレートファイルに、標準スケジュールが作成されている場合は、標準的なアクティビティ資源に対する要求事項が既にアウトプットされています。

テンプレートファイルに標準スケジュールがない場合は、以下のように暫定的なスケジュールを作成すれば、アクティビティ資源に対する要求事項をアウトプットすることができます。

@必要スキルの入力
各アクティビティに必要なリソースの種類をピックアップして[リソースシート]ビューの[リソース名]にリソースの種類(スキルの種類など)を入力します。

 
                       
   

Aリソースの割り当て
各アクティビティに@でピックアップしたリソースの種類を割り当てます。

B所要期間見積もり
各アクティビティに必要な所要期間を見積もります。

Cリンクの設定
各アクティビティの順序設定を行います。

 

上記のように暫定的なスケジュールを作成すると、以下のように、どのようなスキルのリソースがいつからいつまで必要なのかという情報が明確になります。
以下の画面は、[リソースシート]ビューで[ウィンドウ]メニューの[分割]をクリックしてウィンドウを分割した後、下枠に[リソースグラフ]ビューを表示しました。

  

この時、例えば、イベント企画のスキルの負荷を見ると、ほとんどの週が、既定の100%以上の割り当て超過になってしまっているので、このスキルは、一人では無理だということが予測できます。そこで、もう一人増やして割り当て直してみると、以下のように無理のない負荷で作業できるようになりました。よって、このスキルは、このプロジェクトでは二人必要であるということが見積もれます。

  

このように、MS Projectを使用すれば、どのようなスキルのリソースが、何人、いつからいつまでどのような負荷で必要なのかという資源見積もりが簡単にできます。
テンプレートファイルに標準スケジュールの情報があれば、既にここまでの情報(標準的な資源見積もり情報)はテンプレートファイルで提供されているということです。

■人的資源計画
次に、PMBOK(R)の人的資源マネジメントの一番最初のプロセスである「人的資源計画」のプロセスにいきます。
「○○計画」ですから、○○マネジメント計画書を作成するプロセスです。
9つの知識エリア毎に、補助の計画書として○○○マネジメント計画書を作成しますが、それらはすべて、9つの知識エリアの一番最初のプロセスである「○○計画」というプロセスで作成されます。
ただ、例外として、タイムとコストは、○○マネジメント計画書を作成する「○○計画」というプロセスがありません。しかしながら、PMBOK(R)では、この2つの知識エリアについては、「○○計画」というプロセスを設けていないが、他の知識エリア同様、一番最初にスケジュール・マネジメント計画書やコスト・マネジメント計画書を作成するべきであると記述しています。この記述は見落としがちなので、ページ数を記述しておきます。スケジュール・マネジメント計画書についてはP124第2段落目、コスト・マネジメント計画書については、P158第4段落目です。

知識エリアごとのマネジメント計画書を作成することによって、全ての知識エリアをどのようにマネジメントするのかが明確になり、今後のプロセスは、そのマネジメント計画書に書かれている方法に従ってプロセスが実行され、必要なアウトプットが作成されます。
   


よって、人的資源マネジメントのプロセスでは、要員マネジメント計画書を作成し、プロジェクトにおける役割、責任、報告関係などを明確にします。

このプロセスでは、以下のような情報をインプットとします。
 

ツールと技法は以下のとおりです。
 

上記のインプットを元に、上記のようなツールと技法を使用して、以下のような情報をアウトプットします。
 

私が主査を務める、PMI日本支部 PMBOK委員会 実用化WGで作成した、要員マネジメント計画書は、マネジメント計画書なので、プロジェクトマネジメント計画書同様、Howを記述するという方針で、以下のように、人的資源マネジメントのプロセスをどのように実行するのかを具体的に記述しています。(記述方針については、前回のコラム「PMの基本!充実したテンプレートの作成 その7」を参照下さい。)

1. 要員マネジメント方針
2. 要員計画
2.1. メンバーの役割、権限、責任
2.2. タイムテーブル
   誰がいつからいつまでどのような負荷でプロジェクトの作業に従事するかをグラフで示す。MS Projectでは[リソースグラフ]ビューで確認できる。
2.3. 離任基準
3. プロジェクト・チーム編成
3.1. プロジェクト・チーム・メンバーの選出方法
3.2. 名簿の作成と維持管理方法
4. プロジェクト・チーム育成
4.1. 要員トレーニング計画
4.2. チームのパフォーマンス評価
5. プロジェクト・チームのマネジメント
5.1. 課題ログ
5.2. 変更管理(要員の変更要求)
5.3. 是正処置の提案
5.4. 予防処置
5.5. 組織のプロセス資産の更新

上記のようなドキュメントは、タスクメモに添付するか、ハイパーリンクを設定しておけば、素早くファイルにアクセスすることができます。

尚、責任分担マトリック(RAM)の情報をMS Projectで管理する場合は、テキストフィールドを使用して、責任分担を入力するユーザー設定フィールドを作成し、ドロップダウンリストから責任分担を選択できるようにすると効率的です。(ユーザー設定フィールドについては、「PMの基本!充実したテンプレートの作成 その5」を参照下さい。)

 


■MS Projectでのリソースの管理方法
MS Projectでは、リソースの管理方法は3つあります。

スタンドアロンの場合に2つの管理方法があって、一つは、プロジェクトごとにプロジェクト・メンバーが変わるような場合は、プロジェクトファイルを作成する度にリソースの情報を入力し、プロジェクトファイルごとにリソースを管理します。
もう一つの方法は、共通したリソースを常に使用する場合です。そのような場合、同じリソース情報をプロジェクトファイルの作成の度に入力するのは非効率的ですし、複数のプロジェクトが同時進行している場合、それらのプロジェクト間での負荷を統合してリソースを管理しなければ、現実的なスケジュールの作成やリソースの調整をすることができません。そこで、共通したリソースを管理するために、リソースの共有を行います。これが2つ目の方法です。
最後の3つ目の方法は、Project ProfessionalとProject Serverを使用して、全てのリソースをデータベースで一元管理する方法(エンタープライズリソース)です。

次回は、上記3つの方法を使用して、MS Projectでリソースを管理する方法についてお話しします。

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 7.ステークホルダー計画書の書き方
 8.コミュニケーション計画書の書き方
 9.プロジェクト計画全体の整合と各計画書の調整
 10.プロジェクト計画書の使い方と段階的詳細化
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著者紹介

岡野 智加    アイ・ツー・マネジメント 代表取締役

大手ISベンダーなどにてOracleをはじめとするソフト・トレーニングの講師経験を経て、現在、Microsoft Office Projectセミナーに特化した教育事業経営を行っている。
1998年に日本初の、プロジェクトマネジメントの世界標準であるPMBOKTM(Project Management Body of Knowledge)に準拠したMicrosoft Office Projectセミナープログラムを独自開発。これまでの単なる操作方法を習得するセミナーではなく、プロジェクトマネジメントプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの実践的活用ノウハウが習得できるセミナーを開発。
開発当初からこの今までに無い実践的な内容のセミナーは、当時、プロジェクトマネジメントをいち早く導入しようとしていた日本の最大手企業から高い評価を得る。
マイクロソフト社からも評価され、、2002年には日本初の米国マイクロソフト社公認Microsoft Office Project Official Partnerに認定される。
2002年に出版した書籍は、これまでの単なる操作方法を解説する書籍ではなく、プロジェクトマネジメントのプロセスに従ったMicrosoft Office Projectの活用方法が解説されているということで、大ベストセラーとなり、売れ続けており、その後の書籍及び日本中のセミナー企業へ多大なる影響を与える等、Microsoft Office Project講師として日本におけるリーディングパーソンである。

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