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第9話:アナロジーで応用力を発揮する(2014.08.06)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆応用力とは何か

コンセプチュアルスキルにもっとも期待されるのは応用力です。応用力にも前回説明した5つの思考軸が重要な役割を果たします。

応用力とは何でしょうか。デジタル大辞泉によると

すでに得た知識を使って、新たな事柄に対応する力。与えられた材料から必要な情報を引き出し、活用する力。

とあります。知識をどのように獲得するかということを考えてみると、ここに知識だけではなく経験を付け加えてもよいように思います。つまり、

すでに得た知識を使って、新たな事柄に対応する力。与えられた材料や経験から必要な情報を引き出し、活用する力。

が応用力だといえるでしょう。以下ではこの定義を中心に応用力について考えていきますが、まず、問題になるのは経験と知識の関係です。野中先生の知識獲得モデルによると、人は経験によって暗黙知を得ます。そして、それを形式化することで知識にしていきます。これが基本的な関係だと考えることにします。


◆知識の生まれ方

暗黙知は経験によって得られるものなので、具体的なものです。たとえば、子供が初めて車のドアを開けることを考えてみましょう。お父さんがやっていることを見様見真似でやってみます。いろいろやっているうちにドアが開きます。そこで子供の中に車のドアを開ける方法の暗黙知ができるわけです(とりあえず、車を運転するのはお父さんで車の近くにいることにする)。

その子が友達と一緒に自分の家の車に乗るとします。そのときに、ドアの開け方を教えてあげようとします。つまり、言語でドアの開け方を説明しなくてはなりません。たとえば、「ドアについている把手に触るとカチッと音がするので、音がしたら把手を手間に引っ張ればドアが開く」と説明します。これが形式化であり、形式化ができるとこの子は自分の家の車のドアの開け方について知識を持っているということになります。


◆知識の応用

さて、ではこの子が今度はよその家の車に乗るときにどういう行動をとるのでしょうか。同じ(ような)車であれば同じようにすればドアが開きます。ところが、ドアロックの解除が機械式の鍵でしかできない車であれば、そこで行き詰ってしまいます。あるいはスライドドアであれば同じ要領で鍵は解除できてもドアを開けるところで行き詰ってしまうかもしれません。

この壁を乗り越えるには、もう少し、高度な(一般的な)知識が必要になります。

まず、車には鍵がかかっていて、それを開けなくてはドアは開かないことを理解しなくてはならない。そして、鍵の開け方にはタッチすれば開くものもあれば、鍵を差し込んで回すことによって開くものもあるということを知らなくてはならない。そしてドアの開け方もいくつかあり、前に引っ張るもの、横にスライドさせるものがあることを知らなくてはなりません。

知識を持っているというのはこういうイメージで、経験が増えれば知識も増えていきます。応用力とは、知識がない状況に対して対応することです。上の車の例であれば、スマートタッチセンサーで鍵の開閉ができる車のドアの開け方しか知らない子供が、機械式の鍵の車のドアを開けれることです。


◆経験を抽象化し、高度な知識を生み出す

このためには、スマートタッチセンサー付きの鍵を開けるという経験から、

ドアには鍵がついていて、ドアを開けるにはまず鍵を開けなくてはならない。そして鍵を開けた上で、可動域を探しながらドアを動かす必要がある。

ということを考えられなくてはなりません。つまり、自分が経験して得た暗黙知を形式化するだけではなく、抽象化できなくてはならないわけです。

さらに、鍵を開けるということ(概念)に対して、具体的な方法を想像できる必要があります。たとえば、隣の車に乗る人が鍵らしきものを取り出して鍵穴に突っ込んで開けているとか、鍵についているボタンを押しているとかいった観察から想像するわけです。

そして、鍵を持っているのはお父さんなのでお父さんに鍵を開けてくれと頼むことができれば応用力があるといえます。

この記事を読んでいただいているみなさんがこのレベルであれば、容易にやってしまうと思いますが、普段の仕事の中では意外とスマートタッチセンサー付きのドアの開け方がすべてだと思い込んでしまって、スマートタッチセンサーがついていないと途方に暮れるケースが少なくないのはと思います。


◆応用力の基本はアナロジー

応用力を発揮するのにもっともよく使われる思考法はアナロジー(類推)です。子供の場合、経験そのものが少ないのでアナロジーは使いにくく、だから創造性が高いとよく言われますが、大人の場合だとまず、アナロジーだと思います。

たとえば、新しいホテルの部屋のドアの鍵の開け方を考えるときに、車の鍵のアナロジーで、カードを持ってドアノブに触れば開くという方法が考えられるわけです。

この話は鍵つながりがありますが、アナロジーはもっと大胆に使うこともできます。たとえば、車のスマートタッチセンサーを「複数の機能の操作を一つの操作にまとめて開ける」という風に捉えると、このアナロジーは鍵以外にも、いろいろな操作に使うことができます。たとえば、僕が使っているボディーシャンプーの詰め替え用は、口の外側にビニールで封印がされており、その中にキャップの蓋があります。この2つは別の機能ですが、開封するときには、一度にできるように工夫されています。これはスマートタッチセンサーのついた車で、ドアを解除しながらドアを開けるという操作とアナロジーがあります。

このようにアナロジーによる応用力を発揮しようと思えば、抽象化以外に、その機能をどのように見るかという主観が入りますし、また、どこの領域からアナロジーを持ってくるかは直観ということになり、5つの思考軸をフルに回転させる必要があるといます。


◆特に応用力の必要な領域

特に応用力が必要だと思う領域は原理やテンプレートがあって、それを使っていろいろなことを考える領域です。たとえば、技術やマネジメントがそうです。

たとえば、ある製品を実現するための過程で、新しい技術が開発できたとします。このようなときに開発コストを取り戻すには別の製品で技術を活用していく必要があります。技術を有効に活用するには何をすればよいか考えるところです。そこでは、顧客や市場のニーズと技術の組み合わせをしなくてはなりませんが、その技術を使えることを探しても無理やり感があって、あまりいいアイデアが出てきません。ガラパゴスといわれる技術ありきのユーザからすると余計な機能を付けてしまうのが落ちです。

そこで上のようにその技術というのを機能的ではなく、概念的に捉え、それと市場ニーズを組み合せて適切な適応領域を探し、そこから機能に展開してみます。それによって、売れる製品を生み出すことが可能になります。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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