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第5回 リスクにうまく対処する(2007.07.26)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆現状を上回る=リスクをとる

高い目標を掲げて仕事をするということは、何らかの意味で「現状を上回る」ということである。それは、チームとして1+1>2となるようなチームパフォーマンスを引出すことかもしれないし、仕事を分担する一人ひとりが1人分以上のパフォーマンスを発揮することかもしれない。あるいは、仕事の仕方を変え、1人が2人分の仕事をすることかもしれない。

いずれにしても、「現状維持」ではできないような高い目標を掲げるということは、チャレンジが含まれ、リスクをとるということだ。言い換えると、失敗する可能性が出てくるということだ。これが管理者が社員に対して、あるいは組織がプロジェクトに対して、高い目標を設定させるのをためらう理由である。

一方で、第1回で述べたように、事業戦略の実現の中で、あるべき姿を目標として仕事をしなくてはならない状況では、高い目標を設定するのは避けることができない。ミドルマネジャーは上から高い要求と、足元の不安のハザマでジレンマに陥る。どうすればよいのだろうか?その答えがプロジェクトマネジメントの中にある。リスクマネジメントである。

◆大雑把なリスク対応策は精神論にすぎない

こういう状況を考えてみよう。自社と初めて取引をするエクセレントカンパニー(顧客)が、通常では難しい納期で商品の取引を求めてきた。当社ではいままではどんな顧客であっても途中で要求の変更があったりすることを配慮し、多少、長めの納期で対応していたので、余裕を削れば収まる可能性が高い。そこで、営業的に大切な仕事だという判断で、そのように対応することにした。

この段階でも、顧客が「突然、要求事項を変えてくるかもしれない」といった漠然としたリスクがある。そこで、「できるだけコミュニケーションをよくして、言われる前にこちらから提案していくことにより、進め方の主導権を握ろう」といったリスク対策をとることにする。これはこれで意味があることなのだが、もし、あなたが管理者の立場だったとすると、これでだけで部下にかなりリスクのある目標にチャレンジさせるだろうか?冷静に考えてみると、あとは一人ひとりが適切に状況判断をしてくださいといっているわけだ。このようなリスク対応策は、考えないよりはよいが、精神論の域を出ない。


◆計画に対するリスクをみる

プロジェクトリスクマネジメントは、もう少し、踏み込んでいる。まず、第3回で述べたような「計画」があることを前提にしていて、計画の中で具体的にどこにリスクがあるかを明確にし、それに対処することを基本としている。

上の例でいえば、顧客からの要求変更はどの時点で出てくるかということを計画に基づいて検討する。顧客に商品を納めるに当たって、顧客の要求を聞き、デザインをし、デザインについて承認を受ける。その後、試作品を作り、確認をし、商品として納めるという作業をする計画を立てているとしよう。ここで、経験から、顧客の要求の変更は、「試作品の確認した際」に出てくるのではないかと予想される。すると、上のような漠然とした対策ではなく、「デザインと試作をある程度並行して進め、試作後に時間の余裕を作っておく」という「具体的な」な対策をすることが可能になる。これは計画の時点で、対応しておくことになるので、管理者としては、普段は細かく管理しなくても、試作のあたりだけをきちんと管理しておけば安心である。これがプロジェクトリスクマネジメントの考え方である。


◆兆候に注目して、先手を打つ

さらに、このように計画の際にリスクについても考えておくと、そのリスクが発生する「兆候」を管理し、先手を打つことも可能になる。例えば、上での例で「デザインの最中にお客様からいろいろと作業進行の様子を聞きたがっている」とすれば要求を変える可能性があるといったことだ。すると、このような「兆候」を見つけた時点で、お客様と要求変更についての話し合いを持つことができ、試作後のデザインのリワークを最小限に抑えることができるかもしれない。

このように仕事の目標が高くなったとしても、すべての局面での作業が難しくなるということではない。そこで、計画を作ることにより、作業を細分化し、実施時期なども決めておけば、リスクを集中的に管理できるし、また、兆候に注目してリスクに対処する方法も事前に準備できる。従って、リスクを押さえ込んで、目標の達成の可能性が高くなる。

このような発想がプロジェクトリスクマネジメントである。

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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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