本文へスキップ

イノベーション実践、コンセプチュアルスキル、プログラムマネジメント、プロジェクトマネジメント、PMOについての最先端の情報、研修、セミナー、コンサルティングをお届けします。

【PMOコラム29】なぜ、PMOがブームなのか?(2007.08.14)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆PMOブーム!?

PMI東京事務局の永谷裕子さんに聞いた話だが、永谷さんがJUAS(日本情報システムユーザ協会)で初めてPMOのセミナーをやったところ、あっという間に100名の応募があったそうだ。

この話を聞いてもそんなにびっくりしないくらい、PMOへの関心は高まっている。PMstyleでも昨年からPMOリーダー養成講座というPMOスタッフ育成の体系的講座(全6回)をやっている。今年4月からの第4期ではほとんどのセッションが満席になっている。


◆米国のある企業@1996

なぜ、こんなにPMOが注目されるようになってきたのだろうか?プロジェクトマネジメントは米国から10年遅れているといわれる。「プロジェクト的な性格を持つ業務の管理方法の唯一解がプロジェクトマネジメントだ」というのは少し違うと思うので、これがそのまま「プロジェクトのマネジメント」が遅れていることと意味しないが、「モダンプロジェクトマネジメント」ということであれば、10年以上だと思う。僕はちょうど、1996年は米国の企業と一緒に仕事をしていたが、今のSI企業と較べると、たぶん、その企業のプロジェクトマネジメントの方が進んでように思う。

この会社にはかなりしっかりとしたPMO組織があった。プロジェクトマネジメントのオーナーシップを持つだけではなく、プロジェクトへの支援活動も実践的なもので、我々のプロジェクトもずいぶん助けられた。特に、米国の拠点にプロジェクト本体があって、日本にも部隊がいるようなバーチャルチームだったが、チームのコミュニケーションの支援はまさに、「プロフェッショナルの業」だったような印象がある。


◆定着に10年かかる

実は最近、PMOの仕事をするようになって、改めて、この企業のPMOマネジャーとコンタクトをしていていろいろなことがわかったが、設立は80年代前半だそうだ。10年くらいはうまく機能しなかったそうだ。ただ、うまく行きだしたら、加速的にうまくいくようになったそうで、このあたりは定着化の話としてたいへん、興味深い。

さて、日本の企業はプロジェクトマネジメントに関心を持つようになってきて、まず、何をやったかというと多くの会社がPMBOK(R)の導入を行った。そして、多くの企業がうまく行かずに苦しんでいる。理由ははっきりしている。PMBOK(R)というのは多くの企業がやっていることを標準化したものだが、その背後にはPMBOK(R)そのものではあまりフォーカスされていないプロジェクトマネジメントの推進体制というのがある。


◆PMBOK(R)はハコモノ、PMOで魂を入れる?

つまり、多くの企業は「ハコモノ」としてPMBOK(R)を入れている。まあ、ハコモノを入れて、後で中身をつめていくというのは日本型マネジメントの特技だといえるので、失敗だとは言い切れないが、あまり感心したことではない。

それはそうとして、我々がPMBOK(R)の導入コンサルティングをやったクライアントのPMOは例外なく、「これだけのことはできないし、プロジェクトマネジャーにやれとも言えない。できる範囲でやればいいよね」という。できなくて当たり前である。プロジェクトマネジャーにやらせることを前提にしているからだ。もちろん、PMOとしても何らかの支援はしなくてはならないと考えるが、そもそも、前提が間違っている。

PMBOK(R)はプロジェクトマネジャーのやることを示したものではない。プロジェクトマネジメントとしてすべきことを示したものだ。

PMBOK(R)を採用する、しないに関わらず、プロジェクトマネジメントはプロジェクトマネジャーだけがやるものではないことに多くの企業が気がついてきた。そこで、とりあえず、PMOを作ってプロジェクトマネジメントの一端を担うようにし始めた。ハコモノにやっと少し、中身ができてきたわけだが、これが、今、PMOが注目されている理由である。


◆プロジェクト品質を向上させるプロジェクト監査のセミナーを開催します
╋【開催概要】━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
◆プロジェクト監査の理論と実際                ◆3.5PDU's 
  日時・場所:【Zoom】2024年 05月 14日(火)13:30-17:00(13:20入室可)
       ※ZOOMによるオンライン開催です。
       ※少人数、双方向にて、演習、ディスカッションを行います
  講師:鈴木道代(プロジェクトマネジメントオフィス、PMP,PMS)
  詳細・お申込 https://pmstyle.biz/smn/pm_audit.htm
  主催 プロジェクトマネジメントオフィス、PMAJ共催
 ※Youtube関連動画「プロジェクト品質向上のためのプロジェクト監査
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋
  【カリキュラム】
   1.プロジェクト品質とは
   2.プロジェクトマネジメント品質向上への取り組み事例
   3.プロジェクト監査と進め方
   4.事例に見るプロジェクト監査の活用法
   5.プロジェクト監査の視点
   6.監査の実際
╋━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━╋

著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

メルマガ紹介

本連載は終了していますが、コンセプチュアル・マネジメント購読にて、最新の関連記事を読むことができます。

コンサルティングメニュー紹介

PMOコンサルティング、PMOアウトソーシングサービス、人材マネジメントサービスなど、御社に最適のコンサルティングをご提案させていただきます。まずは、お問合せください。

Youtube始めました。チャンネル登録お願いします。PMstylebiz

書籍プレゼントはこちらから

お薦めする書籍

メルマガ購読

ブログ

公開セミナー(カテゴリー別)
日付順  カレンダー

お客様の声(掲載をご許可いただいた受講者の方のアンケート結果)

PMコンピテンシーとは

サイト内検索

Facebook

Facebook

Twitter