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第4話:ゲーミフィケーション(2)(2014.01.13)

プロジェクトマネジメントオフィス 好川 哲人


◆はじめに

前回はゲーミフィケーションの概要についてお話しました。その中で、ゲーム要素やゲームデザインがポイントであり、ゲームの代表はPBLだという話をしました。今回は、PBLについてもう少し、詳しく説明したいと思います。

前回、説明しましたようにPBLは大抵のゲームに含まれるゲーム要素です。


◆ポイント

まず、ポイントですが、ポイントは内部、外部に関係なく、使われているゲーム要素です。ポイントは集めること自体が動機になる場合もありますし、競争の手段になることもあります。いずれにしても、非常にシンプルであるというのがポイントの特徴だといえます。

ケビン・ワーバック&ダン・ハンターによると、ポイントには以下の6つの使い方があるとされます。

(1)効果的にスコアを記録する
(2)勝敗がある場合、勝った状態を示す
(3)ゲームの進行と外的報酬を結びつける
(4)フィードバックを提供する
(5)進捗を対外的に示す
(6)ゲームデザイナーにデータを提供する

(1)~(5)はイメージとして分かると思います。(6)はポイントの獲得の様子を追跡し、分析することで、ユーザーはどのくらいのスピードでコンテンツを進んでいるかなどの情報を把握することができ、ゲームのデザインに反映することができます。この性質は、改善が成功のポイントになるビジネスの仕組みにゲーミフィケーションを導入する場合に重要な活用方法だといえます。


◆バッチ

次に、バッチです。バッチはポイントを塊にしたもので、バッチによってゲーミフィケーションの中で何かを達成したことを視覚的に示すことができます。

バッチの機能はモチベーションですが、ジャッド・アンティンはバッチはうまくデザインすることによって以下のようなモチベーションを与えると指摘しています。

・ユーザーが取り組んでいる目標となり、モチベーションに効果がある
・ユーザーができることのガイダンスとなり、期待されていることを端的に示す
・ユーザーが気にかけることや、実行したことのシグナルである
・ユーザー個人のアクティビティの記録になり、ステータスシンボルになる
・グループの目印になり、同じバッチを持つことがグループにアイデンティティを与える

これらの効果を考えてどのようなバッチを設定するかを考えると効果的です。


◆リーダーボード

リーダーボードによってポイントやバッチではできない方法で、ユーザーに自分の進捗を知らせることができます。競争のゲームであれば、みんなの成績を知らせることで動機になります。

リーダーボードが難しいのは、逆効果になることがあることです。たとえば、トップの位置関係が明確になると、もう追いつけないと思ってゲームを止めてしまうことがあるかもしれません。また、全体の構造が見えるとゼロサムゲームになることが分かり、ゲームへの興味を失うこともあるでしょう。たとえば、一定のインセンティブをみんなで分けるようなゲームの場合です。

リーダーボードにどのような情報を出すかはゲームデザインの問題です。ビジネスの仕組みづくりでゲーミフィケーションを使う場合に、見える化という考え方でできるだけ情報を公開しようとしますが、これは逆効果になることが多いといえます。

たとえば、チームの進捗を示す場合に、すべてのチームの進捗を示すより、トップチームの進捗だけを示した方がいい場合もあります。要はゲーミフィケーションを使う目的次第なのです。

一般的にゲーミフィケーションをうまく使うには、ゲーミフィケーションの目的を明確にし、その目的を実現するようなデザインをする必要だといえます。


【参考資料】
ケビン・ワーバック、ダン・ハンター(三ツ松 新監訳、渡部典子訳)
ウォートン・スクール ゲーミフィケーション集中講義」、阪急コミュニケーションズ (2013)


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著者紹介

好川哲人、MBA、技術士
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス代表、PMstyleプロデューサー
15年以上に渡り、技術経営のコンサルタントとして活躍。プロジェクトマネジメントを中心にした幅広いコンサルティングを得意とし、多くの、新規事業開発、研究開発、商品開発、システムインテグレーションなどのプロジェクトを成功に導く。
1万人以上が購読するプロジェクトマネジャー向けのメールマガジン「PM養成マガジン(無料版)」、「PM養成マガジンプロフェッショナル(有料版)」や「プロジェクト&イノベーション(無料」、書籍出版、雑誌記事などで積極的に情報発信をし、プロジェクトマネジメント業界にも強い影響を与え続けている。

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