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第74回 品質リスク管理(2)〜顧客視点の品質管理(2014/11/04)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代
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◆品質リスク管理(2)〜顧客視点の品質管理

前号では、

遠藤功さんが『「日本品質」で世界を制す!

の中で、提言されている、品質に対する課題においての2つの視点、「品質管理高度化の視点」と「品質リスク管理の視点」をご紹介しました。

PMの道具箱(73) 品質リスク管理(1)〜「見えない不良」と戦う

ビジネス書の杜はこちらです。
 「機能的品質と情緒的品質をシナジーさせる
 
「品質管理高度化の視点」とは、品質管理の考え方や仕組みを高度化し、「見えない不良」を予測することに注力することであり、「品質リスク管理の視点」とは、品質については常に何かが起こると考えて、たとえ、品質問題が発生しても被害を最小限にするような取り組みです。

また、「見えない不良」とは、検査、出荷時につぶすことができる「見える不良」とは異なり、高付加価値化、高機能化、スピードアップの要求などによって「複雑性」が増大したために、出荷時につぶすことができなくなかった不良、バグのことです。「見えない不良」は、何が起きるか予測できず、そのため、この品質リスクに対する対応が急務となってきています。

そして、遠藤さんは、品質については、反対に、「何かが起きる」と想定し、品質向上の取り組みとは別に、「品質リスク管理」の視点が重要であり、「見えない不良」によって、品質問題が発生しても、それに対する損失・影響を最小限にとどめることが重要であることを提言されています。

さらに、品質リスク管理とは、品質不良を「予防」するという品質に対する理想的な対応ともに、影響を最小にとどめるための現実的な対応を求めています。

現実的な対応とは、企業が品質問題によって受ける損失・影響を最小にとどめることではなく、品質問題による顧客の被害を最小にとどめることを意味しています。

従って、「見えない不良」においては、顧客視点の品質管理が唯一の方法です。
最近では、「白斑問題」が記憶に新しいところではないでしょうか?
特に、この問題では、「見えない不良」ではなく、「見えていない不良」であったかもしれませんね。

遠藤さんは、

顧客の声に真摯に耳を傾け、顧客と一緒になって「見えない不良」をつぶすという姿勢がなければ、品質は確保できない

と述べられています。

見えないのであれば、顧客と「言い争う」のではなく、顧客を「味方につける」ことが問われているそうです。そのことによって、見えてくるのでしょう。

また、「見えない不良」に対しては、顧客視点の品質管理の意味から、本社では顧客との距離が遠いため、鈍感になってしまいがちであり、現場での対応がより、求められています。

そのためにも、現場の一人一人が品質は自分が担っているという自律的な思考や行動が重要になってきます。そして、現場レベルでは、「見えない不良」をつぶし、現場を含むすべての部門(商品企画、商品開発、調達、営業などのすべてを含む部門)においても、「見える不良」をつぶすために品質作り込み能力を高め、そのためには品質に対する自律的な思考や行動を高めていくことで、プロジェクト品質を高めることにつながってきています。

参考文献:「日本品質」で世界を制す!(著:遠藤功)日本経済新聞出版社

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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