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第42回 プロジェクト品質の家(9)(2013/05/24)

プロジェクトマネジメントオフィス 鈴木 道代


プロジェクト品質の家
(1) (2) (3) (4) (5) (6) (7) (8) (9)

◆プロジェクト品質の家(QFD:Quality Function Deployment)(9)

前回は、5)について、書きました。今回は、6)についてです。

      ヘ
     /※\
    ┌──┐
    │2)│
 ┌──┼──┼──┬──┐
 │1)│3)│5)│4)│
 └──┼──┼──┴──┘
    │6)│
    └──┘

プロジェクト品質の家は、顧客の期待をスコープに取り込み、顧客の期待・要望を満
足するためにプロジェクトの仕様の優先度を決めるためのツールです。
描き方には順番があり、

1)顧客の期待を記載します。(プロジェクトにおけるWHAT)
2)顧客の期待を実現していくためのプロジェクトの進め方を記載します。(WHATを
実現するためのHOW)
2)の上部の屋根の部分である※)は、2)のプロジェクトの進め方においての相関
関係を記載します。
3)1)顧客の期待と2)プロジェクトの進め方との関連の有無やその度合いを記載
します。(「◎」や「○」を記入)

ここにマークが全くつかない場合、顧客の期待である1)を、2)で全く実現しよう
としていないわけですので、Howであるプロジェクトの進め方があまりふさわしくない
ということになり、再考する必要があります。
また、マークが多いHOWを優先することで、1)のWHATがより実現されていくことにな
ります。

4)競合(ベストプラクティス)を選び、1)の顧客の期待に対して競合プロジェク
トと自プロジェクトのレベルを5段階で評価します。
5)1)の顧客の期待への、4)の自プロジェクトと競合プロジェクトのレベル評価
を比較し、顧客の期待待の優先付けを、行います。

ところで、本ツール「プロジェクト品質の家」は立上げ段階で作成するツールですの
で、プロジェクト作業には実際には、まだ、着手していません。

そこで、5)では、競合プロジェクトがこのレベルなので、自プロジェクトでは、顧
客のこの期待に対して、このレベルを目指すと表明するわけです。
また、この顧客の期待に対して、競合プロジェクトとの差別化はせずに、同レベルを
維持することが必要など、を決めていきます。

そして、最後の6)では、5)の顧客にとって、優先度の高い期待については、本プ
ロジェクトでは必ず実現すべきですので、その顧客の期待を満足するために、3)で
マッピングされた、2)が、プロジェクトの進め方の中で、最も優先度が高いと考え
ます。
ただし、2)の上部の屋根の部分において、2)のプロジェクトの進め方におけるト
レードオフ(正、または負の関係)をマッピングしていますので、その相関関係を考
慮して、優先度を決めます。そして、2)の品質指標と決めた優先度を6)に記載
します。

立上げ段階で作成した「プロジェクト品質の家」における2)のプロジェクトの進め
方(アプローチ、方針)が、6)の優先度と品質指標が守れるように、次の計画段階
でプロジェクトマネジメント計画を作成することで、プロジェクト品質を向上させて
いきます。

もちろんプロジェクト品質とは、プロジェクトマネジメントの品質ですので、計画、
実行、コントロール、終結において、1)の顧客の期待を実現するために、6)の品
質指標をクリアできるような計画、実行、コントロールを実施し、最後にその振返り
を行うことで、組織成熟度を上げていくことへとつながっていきます。

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著者紹介

鈴木道代、PMP、PMS
株式会社プロジェクトマネジメントオフィス、PMstyleプランナー
神戸大学工学部卒業後、アパレル企業の情報システム部に所属し、データベース管理者、システムエンジニア、リーダーとして社内システムの開発・マネジメントに携わる。
その後、独立し、小規模のシステム開発プロジェクトを受託し、プロジェクトマネジメントや開発マネジメントを担当する。
2004年、PMPを取得し、株式会社プロジェクトマネジメントオフィスにて、プロジェクトマネジメントのコンサルティング、研修講師、セミナー講師を担当する。2010年、PMS取得。

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